KunadonicLiveSpaceSystem

量子論と多世界解釈に於ける藤子F不二雄作品についてですよ

Posted on: 2006年6月16日

 物理学や量子論は勿論専門ではありません。触った程度で中身を把握している訳ではありません。んでも、それらの知識は空想を盛り立てる、良質の肥やしになってくれます。心の師と仰ぐ、故藤子F不二雄先生は大変なSF好きで、数多くの作品には、当時の最先端を行く数々のSF的要素が盛り込まれていました。先生は少し控えめに「SF=すこし不思議」と称しておられましたが、蓋を開ければ、それはそんな控えめなものではありませんでしたね。
 
 例えばドラえもんは、藤子F不二雄が産んで既に30年を経ています。30年前の先進技術といえば、何があるでしょう。パソコンはまだありません。マイクロプロセッサ、今で言うCPUが初めて産まれたばかりです。デジカメなんてありません。フィルムを使うのが当たり前でした。CDもありませんね。針が凹凸を読むレコードの時代です。民生ビデオもなかったかな。とはいえ、その頃に人類は月に到達し、その映像が生で、地球に送られてきました。TVの生中継です。科学の進歩が、人類を幸福にすると誰も疑わなかった時代でもあったでしょう。そんな頃に、ドラえもんは生まれます。
 
 余談ですが、同じ時代の漫画家である、赤塚不二夫氏は、藤子両人をこう語っています。「ホームランは打たないけど、ヒットを確実に打ってくるタイプの漫画家」と。そのコメントを述べた当時、まだドラえもんの爆発的ブームを迎える以前ではないかと思われますが、逆に赤塚氏は、既に何本もホームランを打っている漫画家であったということでもあります。藤子F不二雄先生は、自他共に認める「控えめ」な方であったと、そんな感じがしますね。
 
 ドラえもんは、言わずと知れた、日本を代表する少年漫画の金字塔です。30年を経た今でも、色あせる事がありません。鉄腕アトムが、高度経済成長のそのままの延長線で描かれた位置付けであるのに対し、ドラえもんには経済不況の要素も見込まれた未来…つまり、よりリアルに描かれた未来像を伴っていると、私は思います。アトムは2003年4月7日が誕生日です。既に現実世界は、手塚治虫先生の描いた未来とは違う、パラレルワールドです。
 
 ドラえもんもアトムも、共通するのは、予測される未来世界が前提の作品という事ですね。手塚治虫の世界がパラレルワールドだったとしても、当時の世相や技術の進歩の延長に、アトムの世界があると信じて疑わなかった人は、沢山いたでしょう。そう予測された未来世界も、多分あるんじゃないかと私は思います。その根拠は、多世界解釈つまり、パラレルワールドの存在ですね。
 
 で、多世界解釈の本を読んでいて思い出したのは、ドラえもんの第1話です。のび太とセワシ達のやり取りの中に、こういうのがあります。のび太がふと、疑問に思います。ジャイ子と結婚する未来が変わってしまうと、君達は産まれない事になるのではないか?と。ドラえもんは、のび太とジャイ子が結婚するのを防ぎ、静香ちゃんと結婚できるように、未来を変えに来たわけです。ドラえもんは第1話で、その多世界解釈の顛末を淡々と語っていました。ドラえもんは、こう説明します。
 
 ―――例えば、君が東京から大阪に向かったとする。大阪に行くには、電車や車、飛行機など、色々な道筋・方法がある。でも、大阪に到着するという結果は同じ―――
 
 多世界が再び合一するという、他の作品ではほとんど見られない解釈を、ドラえもんは用いていました。通常は多世界解釈の分岐は、再び合一しないと考えます。バックトゥザフューチャーなどはそうですね。ターミネーターは、合一する解釈をしていましたね。このあたりが、いい意味で物凄く藤子F不二雄的だし、そこがまさに藤子FのSFの王道たる要素ではないかと、私は思います。
 
 量子論は、アインシュタインでさえ否定したほど、不思議な解釈をします。実はこの解釈、何とも藤子F不二雄的ではないですか。読めば読むほど、そう感じてきました。量子論的な解釈ですと、ドラえもんの不思議な道具も、実在する要素を持っているものが多数あると、感じられます。電子のトンネル効果は、通り抜けフープを連想させます。多世界解釈については、もしもボックスが思い当たりますね。
 
 藤子F不二雄先生の作品で忘れられないものに、「エスパー魔美」があります。ドラえもんより少し古い作品になるでしょうか。当時の超能力ブームに乗る形で、藤子F先生が劇画タッチに挑戦した前衛的な作品でもあります。今ではそれらの能力が非現実的だと、誰しも思われるかも知れませんけど、超能力ブームに於いては、そんな夢の世界も身近なものでした。SFのSはサイエンス=科学です。つまりは、現実を根底に置かなければなりません。しかし、藤子F先生は、結局はそれに固執しませんでした。そのあたりは、手塚治虫先生の手法に近いといえるのかも知れませんけど、例えば魔法世界とか、超能力とか、宇宙人とか、そんな夢のような楽しい世界を、晩年まで構築していましたね。そのあたりが、SF≠サイエンスフィクション、SF=「すこし不思議」である、要素なのでしょうね。私流に言うなら、メルヘンなのですよ。
 
 残念ながら、そんなメルヘンチックな作品は、時代が受け入れなくなりつつあるように思います。異常な宗教団体が、超能力を夢の要素から搾取するための論理にしてしまいました。火星に水があるとわかっても、地球外生命はまだまだその影も形も見えません。信じるものを失った日本人には、すがる神も仏もありません。
 
 それでもなお、ドラえもんは光り輝き続けています。いつかは、アトムのように時代の遺物になってしまうのかも知れません。でも、作者が既に過去の人になっていながらも、こうして子供達に夢を与え続けるというのは、なんとすばらしいことかと、思わず胸が熱くなってしまいますね。
 
 量子論を読みながら、きっと自分も、ドラえもんたちと一緒に、大阪を目指しているんじゃないかと、思ったりします。そう、いつかきっと、私も、ドラえもんに会えるんじゃないかな?って、本気で思ってるのですよ(*^。^*)
広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

KunadonicLiveSpaceSystem

 岐神葵のぼうけんのしょ。

 岐神葵のブログらしいです。
「事実は小説より希なり」
 架空の人物の閉じた世界のありえない話なんかより、何百倍も面白いリアル体験。そんな人生を目標に、意味不明な挑戦と挫折を繰り返しています。

2006年6月
« 5月   7月 »
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

アーカイブ

涼規じゅん

  • ストレス過多なのでね、動物園行って癒されたいなぁ…_(:3 」∠)_ 2 weeks ago
  • いいかげん浮上しようと思いつつなかなか…(;´Д`A ``` 久しぶりのお絵描きで焦っちゃうと上手くいかないね💦一から描きなおしたい~ でも息抜き出来た気がする。君名ワンドロさんお題が素敵なので(笑)また参加したいな~ 2 weeks ago

RSS カギの救急車Facebookページ

  • エラーが発生しました。フィードがダウンしているようです。あとでもう一度やり直してみてください。
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。