KunadonicLiveSpaceSystem

日本人の民族性についてですよ

Posted on: 2008年4月2日

 記事の経緯から、少しまとめてみたいと思いました。
 
 まず最初の問い。日本人は単一民族か? 色々な観点があり、くくりもまちまちですが、ヨーロッパや世界的な民族分類に則って考えた場合、民族性のくくりには二つあります。一つは言語。もう一つは、遺伝学的観点です。人類という大きなくくりで見ると、この言語と遺伝の系統は、ほぼ一致します。民族を分類する上で、どちらの見方も間違っていないことを意味します。
 あらためて、日本人をこの二つの観点から眺めます。古代史的な話から始めましょう。まず最初に、日本列島に訪れた人類は、シベリアからやってきたマンモスハンターです。古代史的には最古の縄文人と呼ばれます。すり鉢状の土器と、やじりなどの石器が出土しています。当時は氷河期の末期で、日本は大陸と陸続き。ナウマン象を追いながら、徒歩で渡ってきました。次に、南方スンダランドから船でやってきた海洋民族。琉球人の直系のルーツと思われる人々です。彼らもまた日本にたどり着き、確実に根付きました。この縄文人の二つのルーツに合わせて、朝鮮との交易もあったことから、少しずつ大陸の人たちが渡ってきながらも、島国らしい独特の縄文文化が築かれました。
 そのはるか後、中国大陸で戦国時代だった頃に、多くの人々が日本にやってきます。水田稲作を日本に持ち込んだ、弥生人です。九州から近畿までにかけては、土着の縄文人との争いも見られましたが次第に沈静化し、弥生人の東征は今の愛知県あたりで止まります。その頃から、土着の縄文人と、新参の弥生人との交流が見られるようになります。関東では縄文人と弥生人の共同集落の跡も見つかりました。京都や大阪周辺でも、縄文土器と弥生土器が同じ時期の同じ場所から出土します。ゆるやかな交流の結果、お互いに交じり合い、今の日本人が形作られました。
 
 この歴史を裏付けたのは、遺伝子研究・骨格研究など実際の人々の直接的な証拠を元に、石器や土器に見られる文化的特徴を加味して、結論付けられました。日本民族そのものは、アジアの色々な地域からやってきた多数の人々の交じり合いで形成された、独自の民族といえる事ができます。系統的には多数の混血がありますけど、大陸の方々とは全く異なる遺伝子の系統ですし、当然言語も文化も異なります。
 
 さて、日本は単一民族なのか、他民族なのか? この問いに戻ります。大陸の例えば、朝鮮の方々や、中国の方々と比べれば一目瞭然。全然違います。かといって、日本には琉球人やアイヌ人がいます。彼らは、日本人なのでしょうか? 答えは、日本人です。
 先程の遺伝子に戻ります。琉球人は、南方系縄文人をルーツに、沖縄諸島・奄美諸島・石垣島周辺などで独自の文化を持っていますが、縄文人であり、遺伝子的には日本人に分類されます。言語も、琉球語は他のアジアの言語と大きく異なり、日本語に近い物です。琉球王国などが建てられた時代もありますが、その頃の日本は戦国~江戸時代でもあり、国という認識は今でいう都道府県です。どっちつかずでもあるのですが、でも地球的規模で人類を見れば、琉球人は日本人なのです。同じ事はアイヌにも言えます。アイヌも琉球人と同じ縄文系の人々です。弥生人との混血のあまり進まなかった、東北から北海道にかけて広く住み着いていました。残念ながら陸上で接していた為、弥生系の人々との隔絶があった事は否めません。蝦夷と呼ばれ、神武東征などにもあるように、大規模な戦いを好まなかった縄文人、後のアイヌ人は次第に北に追いやられます。それでも、少なからず長い歴史の上では、東海から関東、東北南部では確実に弥生系との混血が進みました。東人(あずまびと)と呼ばれる関東土着の人たちは、恐らくこうした混血の度合いが色濃く、関西の弥生系には少し違った人たちという見方ガあったのではないかと考えています。
 東北、青森までは、多人数の弥生系の入植はなかったものと思われます。結果として、縄文系である土着のアイヌと、西から来た弥生系(以後大和民族)との交流があったのでしょう。遺伝子的な観点ですが、私が思うに、縄文系の遺伝的特徴は、弥生形のそれと比べると、優勢要素が多い気がします。肌の色の白さなどは、東北から北に行くほど顕著ですけど、それなどはこの遺伝的特徴の表れではないかと思います。
 幸いというか、不幸というか、大和民族は東北止まりでした。北海道が、アイヌ文化の拠点となります。数千年の隔絶の結果、異なる言語という認識がされるほど、本土のそれとは違ったものになりました。琉球語と同じ経緯です。このアイヌ語についても、言語学的には日本語と同じルーツといわれます。遺伝子的に縄文人であれば、大和民族と同一の遺伝子を多数持ちます。日本語にも、アイヌ語と近似している要素が多数あるように、アイヌの文化も大きな視点で見れば、日本人なのです。
 
 例えば、欧州の各民族の歴史と比較すると、大変わかりやすいと思います。ゲルマン人やラテン系の人々が主体の土地ですが、そこにはケルト人やスラブ系の人々、エジプトの民もいました。ルーツを異にする多数の民族が入れ替わり立ち代りなのです。日本というくくりと比較すれば、欧州は大変複雑でわかりにくいです。アジアの中央ともなれば、フン族やシュメール人、匈奴など、今でも「謎の民族」とされる民族・人種が多数あります。日本列島土着の人々=日本人、これほどわかりやすい民族も、珍しいかも知れません。
 
 ここでは民族という言葉を使いました。人種という言葉はナチスの愚行により、差別的と考えられていますが、アイヌ人・琉球人というくくりは、この人種による線引きに近いものを感じます。そういう言い方をするなら、同じルーツを持つ、同じ土地に住む人々というくくりで充分ですし、その考え方に従えば、「同じ日本人」です。でも、彼らの文化や習慣まで否定するものではありません。大和民族にも、地域性があります。方言があり、地方色があります。その際たるものとして認めれば、それで充分だと思います。アイヌという文化があり、それを大切にし、伝承していこうとする人々がいる。琉球という文化があり、大和民族との隔絶や摩擦、アメリカの支配もあったけれど、そんな歴史を忘れまいと若い世代に受け継がれている。そうした異文化を認める事は、日本人が得意としてきた特徴でもあるはず。お互いに仲良くやってきたからこそ、アジアの各地からの遺伝子、言語、文化が溶け合って、日本人になったのです。
 
 同じ日本人という言い方は、他国を蔑んだりするものではありません。家族を大事にするのと同じです。同じ土地に住むもの同士が隣人として、異なる文化を認め合い、大切にしていきたいと思う、そんな心です。
 最近は修学旅行に海外に出かける学校も多いですけど、京都奈良でなく、日本人のルーツを探る学習というのも、大切ではないかと思います。アイヌや琉球には、日本文化のルーツがあると思います。個人的にもっともっと学んでみたい文化です。廃れ、消えて行くかも知れない文化です。その可能性は薄いとは思いますけど、かつて大和民族が強制したように、壊すのも容易いものです。ずっと、大切にしていきたいですね。
広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

KunadonicLiveSpaceSystem

 岐神葵のぼうけんのしょ。

 岐神葵のブログらしいです。
「事実は小説より希なり」
 架空の人物の閉じた世界のありえない話なんかより、何百倍も面白いリアル体験。そんな人生を目標に、意味不明な挑戦と挫折を繰り返しています。

2008年4月
« 3月   5月 »
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

アーカイブ

涼規じゅん

  • RT @okome_dbs: 阪俺お品書きできました~。新刊をとても早く作ってしまったのでグッズも作ってみました。実用重視でバッグとメガネ拭きです、自分用の延長です。 しこ(やなうるぴ)様の委託品もあります。お隣は菜々様なので遊アキのようです♥ https://t.co/9cA… 2 days ago
  • RT @hanatsumi: 早くも続編のリリースが待ち遠しすぎるゆるゆる劇場。実は大昔別名義で同人誌まで出してたりして。結構な数余ってるので新たにハマった人に配って歩きたいところだけど、この本劇場版ネタだから劇場版がリリースされないと配れないな。あー劇場版がリリースされないと… 4 days ago

RSS カギの救急車Facebookページ

  • エラーが発生しました。フィードがダウンしているようです。あとでもう一度やり直してみてください。
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。