KunadonicLiveSpaceSystem

トヨタとスバルの利害が一致してしまいましたよ

Posted on: 2008年4月10日

 個人的には全く望んでいない事でした。トヨタは元々嫌いです。でも、スポーツカーのマーケットを相当失っているトヨタにとって、スバルを敵に回し続ける事が自社に不利益だと、かなり前から気付いていたのでしょう。昔はそれ程真剣に相手にしてはいなかったと思います。実際には、スバルの頑なな経営方針はトヨタに近いものもあります。全く異なるのは、スバルがひたすら独自性を追求していたのに対し、トヨタは二番手商法でしか打つ手がなかったという事でしょう。CVTには見向きもしませんでしたけど、気が付いたらニッサンの手にそっくりそのまま渡っていました。この事象に最も恐怖したのは、間違いなくトヨタです。
 WRCではセリカをぶつけてボロ負け、ミッドフレーム窓の空力SVXにはセラを出馬してボロ負け、レガシィのワゴンブームに商用車ベースのカルディナで対抗してボロ負け、軽でもクラシックが流行ったらダイハツにしっかり対抗させてブームに乗り切れず、インプレッサの若者びいきに何とか乗じようとアルテッツァでもやっぱりボロ負け。独自のエンジンも独自のパワートレーンもないから、どうあがいても勝てないと気付いたのは、GMに買収された頃でしょうか。
 しかし残念ながら、スバルはお家芸の軽自動車で失敗します。これが皮肉にも、かのベンツ・スマートに追随した二番手商法。トヨタの愚行を自ら演じてしまったのです。ベンツの二番手でスバルが成功するはずもありません。これまで保ってきた、あらゆる独自の意匠を、こんな些細な事で崩壊させてしまうところでした。
 
 ここで、トヨタの最も欲しがっていたものが、にわかに届きそうになった訳です。CVTもそうですし、四駆の技術も勿論、安全ボディ、WRCで培ったワークスの技術、欧米のスポーツカー市場に長けたパッケージ等々。トヨタにとっては無いものばかりで、自社開発するには時間も資金もとんでもないものになります。スバルはまさに、トヨタの目前に葱をしょってやってきたようなものでしょうね。
 
 スポーツカー市場に共同開発で乗り込むことを謳っていました。同時に、スバルは当初からのお家芸であった軽自動車市場を、手放す事になりました。技術はダイハツに受け継がれるかも知れませんけど、あの、国民に夢を与えてくれたてんとうむし以来、日本のモータリゼーションの一翼を担っていたスバルというブランドの屋台骨が、一本折れてしまったような思いも致します。国民車構想、RRにFF、そして4WDに4気筒エンジン、日本で随一にして先駆のCVT。軽自動車に、これほど「夢」を注ぎ込める軽自動車屋が他にあるでしょうか。それがダイハツだったなら、悲しくとも何ともありません、あんなコピーメーカー、日本の恥ですから。でも、それがスバルということには、深い悲しみを覚えます。これも、一つの時代の終焉なのでしょうか。
 
 今でこそ、アウディやBMWとパッケージで競い合えるだけの内容を持つレガシィもあるし、ランチアなど世界の優れた市販車にも全く引けを取らないホットなスポーツカーであるインプレッサもあります。SUVでも乗用車コンセプトのフォレスターも堅調です。軽自動車は競争も熾烈ですし、トヨタと手を組むという事は、仕方が無い事ではあります。
 今後の動向として、どうしても受け入れがたい変遷は、スバルがトヨタのようなつまらない車作りになってしまうことです。二番手商法、妥協だらけのチープなパッケージ、コンセプトの無い隙間商品、名前だけ違う兄弟車種。最近になってやっとわかってきたのか、レクサスブランドではまるでスバルみたいなことをやっています。頑ななまでに独自性を貫き、他社など見向きもせずに自社製品を磨き続ける姿勢は、スバルのそれとよく似ています。トヨタも負けが込んで、スバルというメーカーを必死に研究したんじゃないかと思います。ニッサンの失敗まで二番手で追従する事はありません。ニッサンがスバルを買収した当時、そのマーケットや企業の底力を間違いなく、甘く見ていたでしょう。トヨタは悔しい半分、きっと羨ましかったんだと思います。研究する過程で、その情熱やコンセプトに、惚れてしまったんじゃないかと。
 
 スバルというメーカーには、理解できない人にはさっぱりわからないけど、理解してしまった人には全てがわかってしまうような、そんな魅力があります。技術屋魂があるんですよ。トヨタがそれに気付いたからこそ、の買収なら、それは悪い方向での結託ではないと、そう信じたいものです。
広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

KunadonicLiveSpaceSystem

 岐神葵のぼうけんのしょ。

 岐神葵のブログらしいです。
「事実は小説より希なり」
 架空の人物の閉じた世界のありえない話なんかより、何百倍も面白いリアル体験。そんな人生を目標に、意味不明な挑戦と挫折を繰り返しています。

2008年4月
« 3月   5月 »
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

アーカイブ

涼規じゅん

  • RT @okome_dbs: 阪俺お品書きできました~。新刊をとても早く作ってしまったのでグッズも作ってみました。実用重視でバッグとメガネ拭きです、自分用の延長です。 しこ(やなうるぴ)様の委託品もあります。お隣は菜々様なので遊アキのようです♥ https://t.co/9cA… 2 days ago
  • RT @hanatsumi: 早くも続編のリリースが待ち遠しすぎるゆるゆる劇場。実は大昔別名義で同人誌まで出してたりして。結構な数余ってるので新たにハマった人に配って歩きたいところだけど、この本劇場版ネタだから劇場版がリリースされないと配れないな。あー劇場版がリリースされないと… 4 days ago

RSS カギの救急車Facebookページ

  • エラーが発生しました。フィードがダウンしているようです。あとでもう一度やり直してみてください。
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。