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なぜガルウィング?ですよ

Posted on: 2009年10月30日

 東京モーターショーの展示車両を眺めながら絶句。なんだこのガル羽車の数は。
 
 およそ真っ当なコンセプトに基づくガル羽が皆無な事は一目瞭然。そもそも世界初のガル羽とはどんな車だったのかと申し上げれば、それはベンツにSL300という空前のスペシャリティーカーです。ガル羽の採用理由は簡単。ボディ剛性を高めようとサイドシルを高くしたら、ドアが以下略。苦肉の策で採用されたものでした。以後、カウンタックなどランボルギーニでも同じ理由で採用され続けます。もちろん、デザイン性を疑うものではありません。しかし、それはデザイン一辺倒の「性能」ではないのです。そこには「ボディ剛性」という「性能」が込められています。そうでなければ、ただの羽に過ぎません。しかも、不便この上ない羽です。なぜ不便か? 実際に利用しないと見えてこないそれは、実に不便です。
 
 まず、ドアが極端に重いです。油圧ダンパーが必須で、しかもこれが4~5年で劣化。設計が悪いとその時期にドア自体を支えきれなくなり、半自動ドアになります。つまり、ドアを開けておくことが出来なくなります。雨の日はまあ良いとしても、雪が振るとかなりひどいです。ドアを開けた途端に、最悪の場合車内が雪だらけ。狭い路地でもドアを開閉しやすいかと思いきや、これも車種によっては20cmも開いていながら、普通のドアなら出られる隙間なのに、リンボーダンス状態で足さえ出す事が出来なかったりします。さらに挙げれば、窓が特殊な形状になっていることが多く、その開閉システムは個性溢れ、酷いものは手を出す事しか出来ません。もちろん事故などでドアが開かなければ、文字通りの棺おけとなります。
 
 日本車でガル羽が採用された例は、3つしかありません。まず童夢ゼロ。まあこれはご愛嬌としても、残りの2つは列記とした量産車。マツダのAZ-1とトヨタのセラ。他の日本車でガル羽だったら、基本的には改造車です。西部警察のスーパーZもそうですね。ガル羽の採用理由は、ボディ剛性かデザインかの2つしかないわけですが、AZ-1は前者でセラは後者です。AZ-1はとことんスポーツ性能に拘った、とんでもないミドシップライトスポーツです。これを評価しない向きは酷い言いようで貶しますが、例えばケーターハムのスーパーセブンがクラシックカーなのか、スポーツカーなのか、という認識の差にも似ています。スーパーセブンがスポーツカーであるなら、AZ-1もスポーツカーでしょう。コンセプトは極めて近く、ライトウェイトでとことん贅肉を削ぎ落とし、速さの為に何もかも犠牲にしたそれは、スポーツカーと言ってもらえないなら、ただのゴミです。あまりにも小さい居住スペースは監獄より酷い、走る棺おけ。人間二人しか納まらない室内にギリギリに並べられた操作系統。イスのすぐ後には軽自動車のエンジンがあって、トランクルームなどという「無駄」もありません。走る・曲がる・止まる以外の全てが、この車にとっては無駄であり、その考え方はF-1もそうだし、フェラーリの一部や先のスーパーセブンもそうです。だから、剛性確保の為のガル羽は許されるし、それが機能美でもあります。当然ですが、車に「それ以外」を求める人には何の意味もありません。
 
 そして、デザインとしてのガル羽。セラは果たして世に受け入れられたかといえば、残念でした。ガル羽だからナンダ?と。ガル羽なんて走っている間は何の意味も無く、車を止めてドアを開けた瞬間だけの、デザインです。それが「魅力」になるはずもなく、誰も相手にしませんでした。後に、あらゆる日本車をガル羽に改造するところも出現し、ガル羽愛好家はこぞって色々な車種をガル羽にしていますが、本人たちが思っているほど世の中が相手にしていないのは明白。例えばクラウンのドアが上に跳ね上がったところで、一体なんだと??
 
 さて、モーターショーです。以前にもこうした意味不明なショーアップは、ありました。思い起こせば、ボンゴフレンディのナントカルーフ。電動で屋根上にテントが開くという、ギミックとしてはガル羽並みかそれ以上なんですが、これもどうにも意味不明。本格的オートキャンパーに言わせれば、「キャンピングカーならベッドを乗せるべきだし、そうでないならテントを積めばいい。ベッドでもテントでもない屋根裏に寝泊りする理由が分からない。」これも、巧妙なギミックで釣る、デザイン先行型の無意味商品でした。
 さあ、ガル羽です。見る側が少しでも賢ければ、無意味さは如実に感じ取れます。デザイナーは空でも飛ばすつもりなのでしょうかねえ。
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コメント / トラックバック3件 to "なぜガルウィング?ですよ"

かっこいいんですけどね、実用性はNG。一発の見た目だし、開けた時だけですから一瞬のインパクトで、慣れちゃうとデメリットばかり目立つでしょうね。同じガルウィングでもかっこいい悪いありますし。当時スーパーカーブームで憧れたり、西部警察のZだったり、ハイソな感じが良かったです。セラはやや斜め上というか、スワンウイングとでもいいましょうかそんな感じでしたね。モーターショーのものだけかと思いきや売り出されたので吃驚しました。一応雨問題などを考慮した開き方だったみたいですが、でもそれはいかんせん蝶番じゃないので致し方ないデメリットは否めません。開け閉めが結構面倒臭いのもありますね。締める時とかw半ドアになったり。ダイハツのネイキッドは外付け蝶番で、デザイン的に嫌がる傾向の中至極真面目に車の事を考えた造りで凄いと思いましたね。さて、なんでもガルにすりゃいいってもんじゃねぇよってなもんですね。こりゃ。今年のモーターショー、いやもう何年いってないか忘れましたが、ガルだらけでしたか。かたやエコが多いと聞きましたが、スポーツを勘違いしてるんじゃないか?という疑問ですね。なんでも萌え入れたがったりそういう感じのw

エコブームの流れは必然ですし、納得できるんですけどね。車はハイブリッドから電気、次世代燃料にシフトしていますが、ことデザインとなると、まだまだかしら。スバルとトヨタのコラボで私が注目しているのは、モーターアシストを発展させた、モーターブーストなんですね。過給機に頼るアシストでなく、ハイブリッドシステムを加速の為のアシストにする、次世代ハイブリッドと言ってもいいようなシステムです。実際ハイブリッドは、実質排気量を上回る加速性能を持っていますが、このメリットをターボと同様に生かせば、画期的なスポーツ性能となるんですよ。つまり、もっと技術力が高まれば、ターボを越えるシステムになり得るんです。こんな未来像、90年代のアニメでも散見されていました。例えばアキラに登場する金田のバイクは、超伝導ハイブリッドでしたね。デザインの潮流は以前書きましたが、キーデザインになるのは絶対「ガンダム」だと申し上げました。ガンダムという未来絵図を持つ若い世代なら、今の車がどこに向かっているのか、その見方も違ってくるんじゃないかと思いますよ。

モーターだといきなり最大トルクでますからね。FDの様な美しいラインも好きですが、スパルタンなデザインも好きですよ。チャージ方法は置いておいて、F1のカーズみたいなアシストなんですかね?いやはや楽しみです。FT86はRRか進んだ4WDの方が良いんじゃないかって私も思いました。TVの取り上げ方は流石だなぁとおもいましたがw

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