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広角レンズ・望遠レンズですよ

Posted on: 2010年6月19日

 写真の話は面白いですね。ちょっとシリーズ化してみます。
 今回はレンズの、焦点距離による違い。難しそうですが、要するに広角レンズと、望遠レンズの違いです。
 
 35mmを例に出しますが、既にデジカメではこのサイズが一般的かどうか怪しいですね。でも何十年も業界標準でしたので、これで説明します。35mmでは、50mmが標準レンズと前回お話しました。標準レンズとは、簡単に言えば人間の視野角に最も近い、私たちの目の、見た目に最も近いものが、標準レンズです。遠近感や歪みなどが最も自然なレンズだともいえます。自然なレンズなので、構造自体もシンプル。レンズの枚数も少ないため、安価で軽量。写真にとって最大の必要性である、明るさを最も確保しやすいものでもあります。この標準レンズで絞りの練習をするのが望ましいと、前回お話しましたが、絞りの自由度が高いとも、言い換えられるのかも知れませんね。
 
 さて、絞りによる被写界深度の演出が出来るようになれば、広角レンズや望遠レンズが俄然面白くなってきます。まず最初に、広角レンズについて説明しましょう。
 
 広角レンズは、標準レンズよりも視野の広いものを指します。焦点距離は、50mm以下。一般的には30mmくらいまでが普通の広角レンズで、それ以上が超広角レンズとなります。その違いは後述するとして、最初に広角レンズの最大の特徴は、とにかく視野が広い事ですね。広大な景色を収めたいときはもちろん、大きな被写体を一枚に収める場合にも便利。大きな木とか、大きな建物など、遠くから撮影するのが難しいときなどには重宝します。それから、狭い部屋での撮影にも便利。プロ用途としては、集合写真ですね。背景に富士山など山を配置した集合写真とかは、広角レンズが大活躍します。視野の広さとあわせて、前回お話した被写界深度が深いという特性も、大変便利で使いやすいものです。ピントの合う範囲が広いので、初心者にも使いやすいレンズです。ただ、広い範囲を収めてしまうという事は、構図を取りにくいレンズでもあります。
 難点としては、広い範囲を狭いところに縮めてしまうため、いわゆる歪みが出やすいという欠点があります。標準レンズと違い、広角になればなるほど、人間の目で見た世界とは違ってきます。その歪みが出ないように設計するのが、広角レンズの設計の難しいところでもあります。それには限界もあって、大体30mmを超えるとその歪みが極端になってきます。25mm前後の場合、魚眼レンズとも呼ばれます。レンズの歪みも完全に消せない代わりに、魚の目のようなとても広い範囲を画面に収める事が出来ます。その写り方は、画面の周囲になればなるほど歪みが酷くなり、レンズの周囲にへばりつくように、全てのものが同心円状につぶれて見えます。かなり特殊な写真ですね。
 
 広角レンズは、むしろ歪みやその特性を生かすのが、テクニックに繋がります。広角レンズの特性を生かす撮影方法とは、ズバリ、被写体に近づくことです。近づくと、遠近感が誇張されて、歪みが面白いデフォルメ効果を生み出します。ちょっと前に流行った、鼻デカ犬の写真は、広角レンズで接近して撮影してるんですね。広角レンズの特長には、遠近感を誇張するという特性もあります。近くにあるのに、ありえないほど遠くにあるように、小さくなってしまうのです。その効果を最大限に引き出す方法が、近づく事なんですね。でも、あまりやりすぎると変形が酷くなります。特に人物の場合は、ほどほどに。集合写真や風景写真などでは、極力離れて歪みを抑えるというのも、その特性を把握した上でのテクニックとなります。
 
 さて続いて、望遠レンズです。遠くにある小さな物体を、引き寄せて撮影するのが、本来の目的でもありますが、その特性を知っていれば、広角レンズの歪みのように、面白い写真の撮影も可能です。その特性は、広角とは全く逆。つまり、遠近感が圧縮されるんですね。どういう感じかというと、例えば渋谷の道玄坂の人の流れを、遠くから撮影したとします。そうすると、見た目よりもゴチャゴチャと人が並んでいる感じになるのです。TVのCMなどでも、横断歩道を渡る人の足のゴチャゴチャしたのとか、そういうのも望遠レンズの圧縮効果を使っています。もちろん、野球中継のピッチャーマウンドとバッターボックスの関係もそれと同じです。TVで観ると、物凄く近くに両者がいるように見えますよね。これも望遠レンズの効果なのです。
 そうした遠近の圧縮を意図した撮影をすると、とても面白いんですよ。過密に並んだ商品とか、工場の生産ラインとか、軒を並べる商店街、乗り物ですと16両を越えるような長い列車とか。望遠レンズはその使い方には被写体を選ぶ難しさがありますけど、その特性を最大限に引き出すと、かなり迫力のある写真になります。もちろん本来の、遠くのものを撮影するとか、小さいものを拡大したいとか、そうした用途で重宝します。シチュエーションとしては、動物園ですね。最近の動物園は生態展示が多いですから、中々近くで動物を撮影するのが難しいです。望遠でしたら、遠くから大きく写すことが出来ます。野鳥の撮影、列車の撮影などとなると、望遠レンズが必需品になります。基本的に、相手に近寄れないからですね。ライブステージの撮影や、極端な例ですが天体撮影も、望遠が必須です。望遠レンズは、その必要性によって需要が生まれるレンズでもありますが、写真が趣味であれば、100~150mm前後の中望遠レンズが1本あれば、充分に楽しめます。桜並木の撮影とか、色々使えますよ。
 注意点は広角と違い、かなり多いです。まず、レンズの枚数が多くて、筒も長くなるため、暗いレンズが多いです。原理的に被写界深度が浅いので、ピント合わせが難しいです。絞りを絞って被写界深度を稼ごうとすると、シャッター速度がどんどん長くなってしまいます。さらに、被写体のとの距離が長いということは、手ブレが発生しやすいです。100mmを超えたら、手持ち撮影は余程明るい昼間でなければ難しいでしょう。ちょっとでも暗くなったり、絞り込んだりしたら、三脚が必須になります。それが、望遠レンズを扱う上での難しさです。レンズ自体も重いのに、三脚まで必要になりますから、当然重装備。望遠が初心者向きでない点は、これでお分かりいただけるかと思いますが(苦笑)。
 
 以上、広角レンズ・望遠レンズの巻でした。次回は、あるのかな?
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コメント / トラックバック2件 to "広角レンズ・望遠レンズですよ"

前回同様勉強させてもらっています。写真は謎が多いので興味深いです。鼻デカ犬やら、離れた物体が近くに見える仕組みの説明に目から鱗が。

昔取った杵柄です(笑)

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