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山で道に迷う可能性のあるものは、道に迷うですよ

Posted on: 2011年3月2日

 山登りの回数を重ねていけば、遅かれ早かれ、必ず道に迷う時が来ます。必ず、です。避けては通れません。間違えないようにといくら気をつけていても、迷います。こんなのは確率の問題で、それがゼロではないのだから、いつかはその時がやってきます。

 登山の装備のおよそ3割は、迷った時のためのもの、と言ってもいいです。地図・コンパスは当然としても、飲料水も非常食もそうですし、防寒着や雨具、簡易テント、ライターにコンロ、あるいはラジオや無線機、懐中電灯、携帯電話も含めていいですね。山行の難易度が上がれば上がるほど、これらの装備が必要性を増してきますが、究極の目的として「万が一のため」というポリシーがあること。これはもう、山登りの「掟」と言い換えても、いいかも知れません。

 私も彼是、かなり山に登りました。既に、かなりの回数で道に迷っています。一度歩いたところなら絶対に間違えませんが、初めての山では、かなり高い確率で道を誤り、迷っています。

 運良く、その難は大事に至っていません。しかし最悪の場合、遭難していた可能性を、私は否定しません。道はそのくらい迷うものだし、山はそのくらい危険なところでもあります。絶対に迷わないなんて自信は、高尾山で崩れ去りました。迷うことは、避けられないのです。

 迷うのは避けられないとしても、遭難は備えさえあれば、高い確率で回避できると考えています。遭難時のセオリーに加え、最低限の装備で、これまでの遭難事故の多くが防げたと言われています。これをお読みの方々も驚かれるかも知れませんが、それは例えば「地図を持っていない」とか「コンパスがない」とか、そんな極めて初歩的なミスでもあるのです。

 と、「そんな馬鹿な」と思った方は、今一度考えてみて下さい。あなたは、高尾山に登る際、地図とコンパスを持って登りますか? つまりは、…そういうことなんです。

 「高尾山に地図とコンパスは要らないだろう」という、安易な考え。これが大きな落とし穴。山に慣れてくると、1000m程度の山ならとか、夏の低山ならとか、どんどん甘い考えに支配されていきます。はっきり言って高尾山でも、簡単に遭難できます。実際毎年、多くの救助要請があります。それは、高尾山が迷いやすいということではないのです。迷うべくして迷っている、ということです。

 地図、登山で用いるのは「地形図」です。これは絶対必需品。そしてコンパス。地図を使う上で欠かせない道具です。これらがあるだけで、道迷いから脱出できる可能性が、比較にならないほど上がります。

 そして、迷ったときの鉄則。「来た道を戻る」

 これが実は、とてつもなく難しい。残念ながら、人間はどうしても沢を下りたくなります。その理由は、飲み水が豊富だということよりも、山を登るより降る方が楽だという大前提に加え、運が良ければ人里に出られるのではという極めて甘い期待。

 道迷い~遭難は、登りではなく降りの方が、圧倒的に発生しやすいです。登りは、目指すところが山頂なので、間違えることはありません。しかし降りでは、山頂を中心に放射状に広がる尾根や沢など、その全てが「魔の誘い」です。特に沢は、大きな滝に出くわしたり、谷が深くなって歩けなくなったり、多くの場合全く身動きが取れなくなるばかりか、極限状態になった遭難者が滝に飛び込んでしまったり、滑る岩場で滑落したりと、まさに死と隣り合わせの状態に陥ります。

 もちろん、山を降りているのだから、登り返すことは、精神的にも大変困難です。時間も押していてどんどん暗くなる中、道に迷った焦りも手伝って、人はどんどん沢へと下っていき、遭難してしまいます。まだ何とかなる、という気持ちが、人を沢へと引き込んでいくわけです。

 言うまでもなく、沢に降るのは大間違い。遭難した際には、とにかく「山の上」を目指すのがセオリーです。

 稜線は比較的草木が少なくて歩きやすく、大きな崖に出くわすことも避けやすいです。見晴らしがいいので、自分の現在地を把握しやすいです。ヘリコプターなど上空からも発見されやすく、救助しやすいのも稜線です。さらに、多くの登山道が稜線に付いていて、そこから自力下山しやすいのも確か。沢沿いの登山道に辿りつくのは、困難を極めます。しかし稜線の登山道であれば、復帰できる可能性がはるかに高いのです。

 もうどうにもならない、遭難したと認識して、ビバークする覚悟を決められれば、その方が生還する可能性が高まります。沢に降るくらいなら、動かない方が安全です。もちろん、夜になってしまったらどうにもなりません。夜明けを待って行動するのが賢明です。そして夜明けになったら、とにかく元の道を戻る。道がわからない、戻れない場合も、とにかく山の上を目指す。

 極限状態の人間には、幻覚や幻聴が現れるようです。それがさらに深みにはまってしまう理由の一つ。遠くで人の声がする、赤い屋根の建物が見える、等々。安易な期待とギリギリの精神状態が生み出す、まぼろし。

 遭難したら、頼れるものなんて自分しかいません。それよりも、地図とコンパスが最大のお守り。そして、とにかくわかるところまで戻る。安心して登り返すためにも、一夜を明かせるだけの装備と、その心構え。それは、決して難しいことではないはずです。

 付け加えて、ルートファインディングの練習も無駄ではありませんが、遭難を想定したビバークの模擬練習は、日帰りトレッカーほどやっておいた方が良いと思います。テント泊なら野営が前提ですが、山小屋泊でもある程度の食料や装備は用意しているでしょう。遭難して最も危険にさらされるのは、軽装の日帰り登山者です。だからこそ、低山も侮れないし、安易な気持ちほど危険だといえるのです。

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涼規じゅん

  • UPした写真、全部私の使い込んだガラケーからだけど…。スマホになったら写真めっちゃ綺麗だって聞いてるから羨ましいな(;'∀') このご時世にまだもうちょっとガラケー継続の予定です(;^_^A 1 day ago
  • これで東京以外での遠方のお出掛けはしばらくないかなー…。しんどくなったときは動物写真見返して乗り切るのだ…!(;^ω^) 1 day ago

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