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雨の檜洞丸ですよ

Posted on: 2011年5月29日

 雨の登山。普通の人からすれば、途中で雨に降られたとかでなければ、考えられないことかも知れませんね。何でわざわざ雨の日に、山に登るのか。別に禅問答じゃないです。雨でなければ楽しめない景色や、情景。苦痛を乗り越えて、むしろ普段は味わえない、感動がある。はず。そういうのが分かるようになると、登山はより一層面白いものになるんですけど、困難が増えるだけに、なかなか勧められるものでもないですけど。

 さて、檜洞丸。ブナの原生林と、下草のバイケイソウの群生が豊かな、まさに雨のためにあるような森。ここは修験道の聖地でもあり、中部地方界隈としては珍しい、低緯度のブナ原生林。有名な白神山地には及びませんが、関東近県では最も規模の大きい原生林です。が、ここも昭和の中ごろから、急速に規模が縮小しているようで、ブナの巨木が相次いで立ち枯れしています。大気汚染が原因といわれていますね。そんな、貴重な森です。

 雨ですが、二度目の登山です。危険箇所やルートの詳細は把握していますので、問題になるのは、雨への備えだけですね。果たしてどんなものか。

 車で東名高速を下り、大井松田ICから丹沢湖へ。さらに上流の、西丹沢自然教室に車を止め、そこから登山。今回は雨なので、危険度も高まります。普段は家族と知人にメールを入れておくだけの登山計画ですが、念を入れて自然教室で登山計画書を提出。万が一の遭難や事故に備えます。

 順調に進んでいきます。この時点では小雨。山腹を巻きながらゴーラ沢へ。このゴーラは、強羅と書くのかな。ゴーラ沢は前回と同じ水量ですね。水が美味しいです。川を渡って、稜線へ。

 ツツジ新道と呼ばれていますが、低いところはもう散ってますね。標高が上がるに連れて、ぼちぼちと花をつけたツツジが増えていきます。同時に雨も…。

 しばらく登って展望台。雨水でベンチが濡れています。眺めは…真っ白。まあ、そんなもんです。標高はぼちぼち雲の中へ。

 鎖場、ハシゴと続きます。雨で滑りやすく、普段よりも慎重に登ります。でもまあ、装備さえしっかりしていれば、危険ということはありません。時間をかけて慎重に。

 このハシゴのあたりでヒルに遭遇。初めて足に吸い付かれました。ストックで払い落としました。レインウェアを着ていたことが幸いでしたね。血は吸われませんでした。

 この辺りから、雨が本降りになって来ました。レインウェアを着ていましたが、ここでザックにもカバーを装着。ドイターのザックは、レインカバーが付属しています。これは本当にありがたいですね。同時に、ショルダーポーチと無線機をザックの中へ。無線機は防水でないVX-3ですから、これはまあ仕方ないです。非常用と考えて。

 携帯だけは写真撮影のため、レインウェアのポケットへ。でも、ウェアの湿気でかなり画面もレンズも曇りますね。時々拭きながら撮影。

 レインウェアは、スポーツ量販店で買ったオンヨネのなんですが、性能的にはそこそこです。ゴアテックスのレインウェアも、ほしいんですけどね…。まあ、撥水性は悪くないです。透湿性については、比較したことがないので分かりません。どの道登りでは、汗をかくのが当たり前です。シャツは当然びっしょり。でも、内部が堪えられないほど蒸れることはありませんでした。透湿性という点では、充分な性能ではないかと思います。

 むしろ、中に何を着るかでも、大分変わる気がします。シャツはモンベルのジオライン3Dメッシュを着ていました。これは暑い時期の登山で愛用しているシャツです。どんなに汗で濡れても、肌にくっつくこともなく、常に快適。
 問題になったのは、SKINSのパワースリーブでした。これは、普段は汗を素早く吸い取って、どんどん蒸発させる優れもので、腕がひんやりするくらい快適なのですが、レインウェアの下には全く逆効果。びっしょりと湿っている感覚が常に付きまとい、確実に蒸れていることが分かるくらい。保水力があるだけに、動けば暑く、休めば冷える。これは全く、相性が悪かったです。

 そう考えると、SKINSのタイツも、レインウェアの下には向いていないかも知れませんね。今回のタイツは、CW-Xのスタビライクスでした。こちらは全く苦痛を感じませんでした。蒸れることもなく、確実に汗が蒸発して湿度が抜けている感じでした。

 シロヤシオにミツバツツジ。山は標高差があり、麓から順に見頃を迎えていきます。標高をずらしていけば、同じ花を長い期間楽しめるんですね。高尾山ではもう終わってしまいましたが、標高の高い山ではまだまだこれからという所も、多いです。

 シロヤシオが木の階段を覆うように咲いています。本当に満開ですね。辺りを覆う霧と相まって、何だか夢の中のようです。

 階段も終わり、ブナ林へ。バイケイソウの群生は目の前。濡れた木道が続きます。まだ若い黄緑色のブナの葉に覆われて、眩しいくらいです。周囲360度の緑。木道の上で佇んで、しばし緑のシャワーを浴びます。

 気持ちいいですね。疲れが癒されていく感じです。透湿ウェアのありがたさも感じます。ウェアの表面を、雨水がコロコロと転がっていきます。雨だから、という理由で、山を避けることなんてないです。今は装備も充実しているし、確かに危ないところもありますが、初心者でも気楽に楽しめます。ちょっと暑くて、少し蒸れますけどね。でも、苦痛という程ではないですよ。

 うっとりするほど心地よい、ブナ林。やっぱり来てよかったです。

 ブナの巨木。大きな幹ですが、ぽっかりと空洞になっています。前にも眺めましたが、何度も幹が折れて、生え変わっているのでしょうね。
 Wikipediaによると、ブナは根から毒を出すらしく、周囲の木々を枯らしてしまうとの事。ブナ林は、そんな生存競争で勝ち残った木々たちなんですね。杉なんかは、植えれば植えただけ育ってしまいます。ブナは、自分の根を生やす範囲を確保する為に、そんな力を身に付けたんでしょう。それだけ、広い範囲に根を生やす必要も、他の木々に邪魔されないようにする必要も、あるのでしょうね。

 嗚呼、なんて力のある木なんだろう。凄い生命力です。太く、大きく育って、森のスポンジを育てていくんですね。大きく張った根の上に、大きくて軟らかい葉をどんどん落とし、ふかふかの絨毯みたいな土を作っていく。水をたっぷり含むから、こんな山の上なのに、湿地帯のような下草の群生をはぐくんでいる。自然の作り出す、奇跡の造形にも思えます。

 無事に山頂到着。雨も本格的に。もちろん、誰もいません。青ヶ岳山荘に行こうかと思いましたが、とりあえず時間もあるので犬越路に向かうことにしました。

 青ヶ岳とは、檜洞丸の別名です。その意味も、この森を見れば納得できますね。

 さあ、降りようと先を見ると、真っ白。まさに雲の中にいたということが、わかりますね。晴れていれば、富士山に大室山が見える、絶景ポイントなんですが。まあこんな雲も、絶景といえば絶景かもですが。

 でも、こんな時でしか味わえない、幻想的な景色には違いないです。来て良かった…。と、ここまでは思ってました。!!! やっぱり、厳しかったです(笑)

 この先の熊笹ノ峰の稜線は、そこそこの難易度。鎖場やハシゴのある急坂で、ガレ場・岩場が各所にあります。さすがに、雨では滑ります。普段の倍くらいの時間をかけて、慎重に下ります。

 ある程度慣れている人なら大丈夫ですが、初心者には絶対にお奨めできませんね。晴れていれば問題のない足場も、雨だと滑って足が置けなくなったりするし、鎖も手を緩めると滑ります。レインウェアが岩に引っかかりやすいし、山スカートのほうが余程楽です(苦笑)。

 

 そして更なる苦痛。熊笹! 熊笹ノ峰は、その名の通り、熊笹が密生しています。背の高さを超える、笹薮。晴れている時には、まあそれほど苦痛ではないです。が、これが雨となると……。いやはや、これほど嫌なものに化けるとは、全く想像しませんでした。

 濡れた葉が、レインウェアの上を滑ります。今まで雨をはじいていたウェアが、べちゃっと濡れていきます。撥水性が、どんどん奪われていきます。すると、透湿性が弱くなり、次第に蒸れが増してきます。それまで快適だっただけに、この笹薮は、本当に苦痛でした。首周り、レインハットもすっかりびしょ濡れ。でも、この先に非難小屋があると知ってるから、ちょっと強行突破な気分で。この笹薮がもっと長くて、先に休むところがなかったなら、間違いなく雨登山が嫌いになっていたはず。

 

 どうにかこうにか避難小屋到着。カメラも湿気でピントが合いません。中に入ってウェアを脱ぎ、拭ける汗を全て拭きます。シャツも汗でびっしょり。パワースリーブはここで外します。実は、ヘリーハンセンのレインスカートも履いていたんですが、これが全く効果なし! 撥水性ははっきり言って弱すぎ。しかも、レインパンツと擦れる部分で雨が染み込み、ここも撥水していません。パンツとの接触部で問題が出るようなので、やっぱりレインスカートといえども、レインパンツの上にレイヤードというのはダメですね。

 その他、レイングローブも持っていったのですが、これも夏場の雨では役立たず。はっきり言って暑すぎ。ストックを持っていますし、握り手は結構力を入れているだけに、やっぱり暑すぎるんです。冬の、雪の日などに使うべきで、夏場はいらないかな。でも、暑い日は逆にグローブを使います。日焼け止め、汗の滑り止めを兼ねています。晴れているなら、むしろ吸湿速乾のグローブをつけると、涼しいんですよ。

 レインハットもヘリーハンセンですが、これは前に高尾山の雨の時にも使いました。レインハットは首周りが露出するので、凄く快適。つばが広いから、風さえなければこれで充分、雨を防げます。透湿性もあるので、髪の毛が汗でベッタリするようなこともないです。

 今思えば当然なんですが、タオルマフラーが全く無意味。もう、雑巾がわりというか(笑)。顔も結局、汗と雨で濡れます。ある意味、顔だけは仕方ないので、濡れるに任せたほうがいいのかも。今はメイクも耐水性がありますから(登山ではどうせ崩れる笑)。登山後に乾いたタオルで拭けばよし。

 沢まで降りてきました。もう間もなく用木沢で舗装林道。無事に登山完了です。自然教室で無事を報告し、車で厚木方向へ。実は!!! ストーブを忘れてお湯を沸かせませんでした!(笑) ああカップめんが…。お腹空いた~~!マック行きたい~!メガマックが呼んでいる~!

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コメント / トラックバック2件 to "雨の檜洞丸ですよ"

初めまして、こんにちは。
ヤマレコから来ました。
偶然、5月22日に行った檜洞丸の記録を見つけたので。

やっぱり、雨の檜洞はいい!って再認識しました。
青ヶ岳山荘のおばさんも面白い人でした。

初めまして(*^_^*)

雨の檜洞丸は本当にいいですね♪
ますます檜洞が好きになりました。

青ヶ岳山荘には行ったことがないのですが、
おもしろい方なんですね。今度は行ってみようかな?

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