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富士山で六根清浄ですよ

Posted on: 2011年7月12日

 富士山。今まで登った全ての山から、見えました。否応なく目に焼き付けられた、孤高の存在。日本の山岳に於いて、最も崇高だというのは、疑い様のない事実です。標高3,776m。他の3,000m級の山は多くあるものの、その高さは第二位北岳の3,193mと比べればわかります。しかも、それが火山の独立峰というのも、富士の孤高ぶりを際立たせています。

 一般的な前知識はともかく、日本人の心に深く根差しています。とはいえ、その頂に登った人は少ないです。「登る山でなく見る山だ」と豪語する方も多いですね。その理由も意図も、登れば分かるんですが、登らなければ分かりません。登ったからこそ到達したその達観。いえいえ、やっぱり登る山ですよ。でも、高尾山とは違います。少なくとも、知識と経験が必要なんです。私みたいに、半年掛けて毎週のように登る必要はありませんが、最低限の装備と、1,000m程度の山登り経験は必須。必須です。登りのつらさ、下山の痛み。程度は違いますが、1,000mでもたっぷり味わえます。その3倍以上に値するのが富士です。

 登りのつらさは、これまでも暑さや血糖値の低下などで知っていたつもりですが、そこは富士山。桁違いの高さが、これまでの私の常識を覆しました。それは、空気の薄さ。地表と比べ、2/3程度の薄さです。とにかく酸欠。脈が速くなり、息が乱れます。疲れていないのに、足が重くなります。このつらさは、日本では富士山でなければ体験できないものでしょう。南アルプスでも3,000を越えますが、比較にならないでしょうね。アスリートが高所トレーニングをする理由が、よく分かりました。

 もちろん、この空気の薄さに対する準備は、むしろ万全でした。こればかりは、どうしようもないんです。携帯酸素も全く役に立ちません。とにかく、深呼吸するしかない。普段の3割増しを意識して呼吸を続ける感じ。これで、乗り越えられます。体が重いのも仕方ないので、呼吸と合わせてとにかくゆっくり歩く。普段の半分以下の時間で一歩一歩を歩きます。大きな段差は、深く深呼吸をしてから踏みしめます。ハアハアとした浅い呼吸は余計疲れます。休憩は極力取らないのが望ましいです。空気が薄いのだけはどうしようもないので、休んでも休まることはありません。出来ることは、疲れないようにすることだけです。なので、すぅーーーっ、ふぅ~~~~~ぅという感じの深い呼吸を続けながら、ほんの少しずつ、歩くんです。足が重くなったら、そのまま立ち止まります。そこで深呼吸を続けていれば、回復してきます。横になったり足を投げ出してしまうと、立ち上がった時に立ち眩みやめまいに襲われたりするので、休む場合も出来るだけ座らずに休みます。呼吸が落ち着いてしまうとさらに登りがつらくなるので、休憩も短時間。やっぱり、少しずつ歩き続けるのが理想なんですね。

 これも、1,000m程度の山に登っていれば、ある程度は体験できます。疲れてもいいから登りきろうと思わず、疲れないで、快適に登り切ってしまえるようにするのが、理想です。1,000mの山を、したり顔で、笑って登れたなら、その経験は富士山でも役に立ちます。

 下山についても同じです。

 ひざの痛みは、慣れてない人なら高尾山でも痛烈なものになります。これを克服していれば、富士山はむしろ快適。砂走があるので、高尾山が平気な人なら絶対富士山のほうが楽です。出来れば高尾山で、舗装された1号路を速いペースで笑って降りられる程度なら、申し分ありません。

 登ってみたいなら、山登りはじめました めざせ!富士山編を読んでみて下さい。これに、必要なことは全て書かれています。

 それにしても、富士山は俗な山でした。太宰治の名作「富嶽百景」に彼自身そう書いていますが、そんな俗な富士に魅せられ筆を取ったことも、事実でしょう。何より、妻となる美智子との間柄については、富士との係わりあってこその出会いではなかったかと、思わずには居られません。「やあ」とか「まあ」と、気の抜けた言葉に象徴される俗っぽさ。それなのに、不思議と吸い寄せられてしまった懐の大きさ。感謝の念を抱かずに居られなかったのか、「富士山、さやうなら、お世話になりました。」と記しています。富嶽百景は、富士に触れた人々の心の動きをよく表しています。俗な中にも、日本人の心に共通する富士山感のようなものがあって、美智子の愚問にも似た何か共通の思念があるように思えます。富士山を美しいと思わない人は、いません。その富士が、日本人の誇りだという事実を、疑う人もいないでしょう。それゆえに、あまりにも通念的な、馬鹿馬鹿しいという観念を、太宰治が抱いたのも無理のない話です。

 「登る山でなく見る山だ」というのもまた、俗な表現ですね。何もまあ、わざわざ苦労して登ることもない。それもまた、この山の懐の広さだと知るには、私の場合は、登る必要があったのも事実ですが。

 宝永火口に限らず、この山は、まだ生きています。

 長い年月を重ねて、今の形に至りますが、その数々の歴史を、火口に刻んでいました。「不死の山」とは、平安時代の表現です。山頂で相方の長寿を願い、祈りました。本当なら、一緒に来たかったのですが。それもまた、富士の有り様かも知れません。

 顔を思いっきり、日焼けしてしまいました。腕には2本の輪っかが。富士山の紫外線量は、地表の1.4倍。日焼けしたいなら、海に行くより、山登り。山頂で水着になる勇気なんて、ありませんけどね(笑)

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コメント / トラックバック6件 to "富士山で六根清浄ですよ"

ついにやりましたね!

やりました(^_^)/

ふじあざみラインから登りましたが、よくいらしてますよね?(笑)

確かによく行ってますが、全部バイクで五合目までです笑
軟弱なので自分の足で富士山頂は登ったことありません。
さすが難なくクリアしてしまいましたね。

あざみラインはバイクだと面白そうな道でしたね。
今回初めて通りましたけど、スバルラインより
カーブが多い気がしました。気のせいかしら?

五合目もあまり観光地ぽくなくて気に入りましたv
下山した登山者にお茶を振る舞うサービスなど、
なかなか雰囲気よかったです♪

やりましたね^^ おめでとう初登頂!
富士山、やっぱり高いですね。
写真を拝見して、まるで飛行機から見た時みたいだなぁと思いました。
それにとっても美しいです。
お天気がよくて何よりでした。

ありがとうございます(*^^*)

満を持しての登頂でしたがやっぱり特別な場所でしたね。
飛行機から眺める雲にも似ていますね~
雄大な景色は、多分一生の思い出です。

素晴らしい体験でした(^^)/

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 岐神葵のブログらしいです。
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 架空の人物の閉じた世界のありえない話なんかより、何百倍も面白いリアル体験。そんな人生を目標に、意味不明な挑戦と挫折を繰り返しています。

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涼規じゅん

  • UPした写真、全部私の使い込んだガラケーからだけど…。スマホになったら写真めっちゃ綺麗だって聞いてるから羨ましいな(;'∀') このご時世にまだもうちょっとガラケー継続の予定です(;^_^A 1 day ago
  • これで東京以外での遠方のお出掛けはしばらくないかなー…。しんどくなったときは動物写真見返して乗り切るのだ…!(;^ω^) 1 day ago

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