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今夏の目標達成ですよ

Posted on: 2011年8月22日

   

 とりあえず、目標としていた八ヶ岳・富士山・南アルプスはそれぞれ制覇しました。最高峰を目指すというより、ピークハントかも知れません。でも富士山と北岳に登ったということは、日本で一番と二番に高い所には到達したわけで。上から順に攻めるというのも悪くはないんですが(笑)、山に序列を設けて順番にというのは、趣味に合いませんね。槍や剣は当面保留というのも心に秘めた方針。これを登ってしまうと、ある意味で国内の山の「目標」みたいなものを失ってしまいそうな、そんな思いもあります。いつかは……。と思っている内は、漠然と心の中に目標を思い描いていられるような。達成感と引き換えに、喪失感や倦怠感が出たら嫌ですからね。

 それから、序列といえば百名山とか、あれも好みません。私自身の心の名山は、もちろんまだまだ百には至りませんが、もう何十とある訳です。で、その心の名山と所謂百名山を比較してみても、何ら劣ることはない。山にはそれぞれ楽しみがあって、上から百までが素晴らしいとかそんなこともない。高さや標高差、難易度なんて、山の持ち味に過ぎず山を評価する基準なんかじゃない。高尾山だって素晴らしいし大好きです。名も知られていないような小ピークや、ハイキング程度の稜線にだって季節ごとの味があります。だから、何処ということなく、登りたい山に登る。それだけですね。

 ただ思えば、別格と呼べる山はありました。それは、富士山。

 登ってみて、その俗っぽさにはむしろ感心しました。言うなれば、やっぱり高尾山の延長線にある山ですね。至高の存在ではなく、孤高の存在なんです。ただ一人、全ての山を見下ろす孤独な山なんです。つまりは、どの山からも大抵見える。周りに遮る山はなく、関東近県の山であれば、必ずその姿を拝むことになる。数々の山の頂に登って、必ず富士を眺めることになる訳です。否応なく。そして、遥かその頂を眺めながら思うことは、「いつかは行ってみよう」と。恐らく、他の山ではそのように思うことは稀でしょう。例えば北アルプスなら槍ヶ岳、南アルプスなら北岳、八ヶ岳なら赤岳、山塊の最高峰は自ずと憧れるものですが、100km以上も離れたところからその勇姿を見せ付けるほどの存在とは、全く異なります。特に東京の低山や、神奈川の丹沢山塊、奥武蔵から眺める富士の存在は別格中の別格。そして、登らずにいられなくなったんですね(笑)

 八ヶ岳は、母の実家が山梨にある関係で、清里にはよく訪れています。富士に似た広大な裾野に、恵まれた大自然。自ら登ることになろうとは、これっぽっちも考えていませんでした。実を言うと、八ヶ岳よりも馴染みのある、茅ヶ岳を考えていました。「ニセ八ツ」即ち贋物の八ヶ岳、とも揶揄される茅ヶ岳ですが、気がついたら難易度的に上を目指せるだけの経験を踏んでしまい、本物の八ヶ岳を目指すこととなりました。まあその自由度が、山の楽しみをさらに膨らませたことも事実で、権現岳からその茅ヶ岳を下に眺めて、今度はそちらから八ヶ岳を眺めてみたくなりました。茅ヶ岳に登ろうと考えなければ、八ヶ岳からそういう見方はしなかったでしょう。山同士の挨拶は、その頂に立ったものしか臨席できません。神々の集う世界とでも申しましょうか。言葉で言い表すのは難しく、一分一秒と留まることなく変化する自然の造形と相まって、その山の魅力を眩いばかりに魅せ付けるのであります。

 そして八ヶ岳でも、富士は佇んでおいででした。しかも、その神々しさたるや、雲海の孤島のような。全ての低山を飲み込んだ雲の海の上、まだまだ低いと言わんばかりの孤高ぶり。姿かたちこそ所謂俗っぽい富士ながら、他を寄せ付けない圧倒的な存在感は、心を揺さぶられました。参りました。次は、登らせて頂きます。そう心で呟いたのは、八ヶ岳の中腹。文字通り「雲海」という場所でした。

 その折、時を同じくして佇んでいたのが、南アルプスの名峰。登ったこともなく、下調べも前知識も皆無。山座同定どころか、山並みの距離感さえ掴めていないものの、富士と並んで圧倒的な存在感を見せ付けていました。雪を抱いた頂が、八ヶ岳とは全く違う神々しさを放っていました。富士は人を惹き付けるような優しさと、他を圧倒する威厳があるのに、南アルプスには逆に、人を寄せ付けない神秘さと、にも拘らず全ての山を包み込むような懐の大きさを感じました。直感的に「あの頂は簡単じゃない」と思いました。まさか富士山の次に登ろうなどと、思ってしまった瞬間でした(笑) ただ思ってはみたものの、最後の最後、現地に着いたその瞬間まで、迷っていました。どんな山も初めてであれば、それは怖いものです。八ヶ岳も富士山もそうでしたが、北岳のその怖さは、やっぱり別格でした。

 そして案の定、コテンパンに打ちのめされます(爆)。

 雨の登山も、岩場も、雲の中も経験済みでした。道迷いだって望んでした訳ではないですが、経験済み。もう何というか、やっぱり北岳ですね。まだまだ浅いよと、軽く平手打ちを食らったような気分。制覇はしたものの、これほど強烈に、また登りたいと思った山も初めてです。完全にとり憑かれました。嗚呼、これが霊峰のパワーなのか(笑) 登る前の怖さといい、「簡単じゃない」と思わせたあの神秘さといい、もう後戻りできないところまで、足を踏み入れてしまったような思いです。

 また晩夏~初秋に、どこか素晴らしい頂を目指すことと思います。それらは、霊峰の計り知れない力に引き寄せられたもので、既に浅はかな達成感や、小さな目標など、どうでもいいことになりつつあります。たかが数百m、数年の競い合いの無意味さは、その山の偉大な歴史に触れればあまりにも小さすぎ。山が重ねた年月は、遥か数万年を超える月日の積み重ね、そのものなのですから。

 

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