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Archive for 4月 2013

今回は、高尾山の次の山と題してみます。

高尾山から、とりあえず奥高尾の陣馬山まで登り、さて別の山に登ってみたいなと思った時。高尾山周辺で同じ程度の標高差、楽しめる山などをご紹介します。その前に、高尾山の特殊性について語っておきたいと思います。

昭和30年代の登山ブームの頃は、ある程度知れた山なら大抵、山頂には茶店があったりしました。東京なら、浅間嶺に川苔山など、今ではお店など跡形も無い山にもありました。それが今でも大繁盛し続けている山が、高尾山から陣馬山までの、いわゆる奥高尾山稜です。高尾から始まり、もみじ台、小仏城山、景信山、明王峠、陣馬山と、至れり尽くせりです。かつては小仏峠にも茶店がありましたね。

価格にプレミアがついていますが、食事や飲み物に困ることはありません。高尾山槐は食事を持参しなくとも現地調達できますね。

これは、山小屋の整備された人気のある山なども含め、かなり例外的です。山は基本的に、お店などありません。こうした店舗が整備されているのは、ケーブルカーやロープウェーなどが整備されている、観光地化された山に限られます。山小屋があったにしても、行動食や携帯食などをも依存するには些か無理があります。富士山も基本的には、食料を携帯するべきです。山に登る際は、非常用の食料も考え、原則として持参します。この高尾山の常識で以降の山を考えないように、ご注意下さい。

さて、まず高尾山近辺で同程度から、それなりに楽しめる山をご紹介しましょう。

●石老山
 IR高尾駅の次の駅、相模湖駅から登ります。高尾山と同じく、寺院の境内と渾然一体のいわば霊山です。周囲10mを超える巨大な岩が見所で、相模湖を一望できる眺望も期待できます。コースを相模湖のダムから歩けば、低山ながら自然豊かな相模嵐山を経由して縦走できます。帰りは歩いてもOKですが、バスもしくは、相模湖を渡し舟で渡るという他にはない楽しみ方も出来ます。

●岩殿山
 JR大月駅からすぐ。巨大な岩場のある低山ですが、かつて山城としての栄華を誇っていました。史跡、難所、眺望の三拍子が揃った楽しい山です。途中の兜岩の鎖場はスリルたっぷり。

●仏果山~経ヶ岳
 神奈川県の新たな水瓶、宮ケ瀬湖の東に位置する山塊。展望台から宮ケ瀬湖を一望でき、その向こうに聳える雄大な丹沢が素晴らしいです。

●御岳山~日の出山
 ケーブルカーのある観光地ですが、高尾山同様登山者の人気も高くてルートも豊富です。日の出山は眺望が素晴らしいです。

●大岳山
 この山のルートも大変多く、難易度の高目のものもありますが、御岳山から続けて登るのが最も手軽でしょう。そういう意味では気楽に挑戦できる山です。そして何より、東京で最も目立つ山だけに、他の山から大岳山を簡単に見つけられることから、印象深い山となるでしょう。

●川苔山
 奥多摩の人気の山ですが、少し奥まったところにあり、ある程度足に自信がついてからが良いかと思います。百尋の滝や苔生した川の源流など、優美な自然を堪能できます。

●塔ノ岳
 丹沢で最も人気のある山でしょうね。ヤビツ峠・表尾根から登り、大倉尾根というのが定番です。高尾山と比べるとかなりのハードルートですが、富士山に挑むなら絶対に登っておくべき山です。

●三つ峠
 巨大な富士山を目の前に出来る、富士見で最も有名な山でしょう。太宰治の随筆にもこの山が登場します。

●鷹ノ巣山
 奥多摩の山で、東京都最高峰の雲取山に続く石尾根の途中にあります。頂上付近にカヤト(草原)を抱え、素晴らしい眺望です。

●大菩薩嶺
 この峠の名の、未完の長編小説で有名です。大和時代にまで遡る古甲州道の峠道です。甲府盆地を一望でき、南アルプスや富士の眺めも素晴らしいです。百名山の一つ。

 概ねこんな感じでしょうか。季節や天候によっては、難易度も大きく変わりますが、概ね標高差1000m程度で、行動時間が6時間前後と考えて選びました。上の方が難易度が低めです。順番的にも、何となくこんな感じで少しずつ山の標高や難易度を上げていけば、徐々に技術や体力を向上できると思います。

 もちろん、必ずしもこれに従わなくても構いません。自分の力量含めて、登りたい山にどんどん挑んでみて下さい。その興味こそ、山で必要な準備を揃えていくトレーニングになります。天気や山の情報を参考にしながら、必要なものをイメージしてみて下さい。そのベースとなるのが、これまで登ってきた経験です。たかが高尾山でも、「あの斜面であんな道具があったらいいな」とか、「こんな行動食、水分補給が出来たらいいな」とか、色々とあったかと思います。そのイメージを大切に、少しだけ難易度の増した山に挑むわけです。

月に到達したアポロも11号に至るまでに、10回もの試作、試験飛行がありました。月を周回して帰ってくるミッションもあったんですよ。どんな偉業も、ステップバイステップです。焦らず、確実に、楽しみながら進めていきましょう。

 次回は、万が一の非常装備です。

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さて記念すべき10回目は、ブレイクタイム。山ご飯のお話です。山ご飯というと、普通はお弁当もしくはコンビニフード?でしょうか。それ以上となると、火を使わなければなりません。それにしても、キャンプのように飯盒や大鍋などはナンセンスですよね。

山の食事は、エネルギー補給としても大切ですし、モチベーションも高まります。多少まずくとも、山頂の絶景を見ながら食べる食事は格別です。景色をおかずに頬張る気分は、なにものにも代え難い、登山の魅力です。

最近は携帯性に優れたガスバーナーがあり、デイバッグでも簡単にお湯を沸かして料理を楽しめます。恐らくこれをお読みの多くの方は、それほど料理は得意でない方が多いでしょう(笑) まずはお湯・バーナーを使ったインスタント食品を主体にご紹介しましょう。

何と言っても最初の王道は、カップラーメンですね。バーナーと水、クッカー(鍋)があれば、いつでもどこでも楽しめます。カップラーメンの欠点は、ゴミが出ること。これは最近ですと、リフィルといってカップのないパック詰めのカップ麺があります。これを別容器で作ったり、あるいはクッカーに直接入れて煮込んでもOK。パッキングすれば驚くほどコンパクトになるのも魅力です。水さえ確保できればすぐ作れますので、非常食として1つだけ多目に携帯しても良いかもしれませんね。

唯一の欠点は、富士山など高山ではぬるいです(笑) 沸騰する温度、沸点が低いので、どうしてもぬるくなってしまうのです。私は正直申し上げると、まずいと心底思いました。これが唯一の欠点でしょうか。とりあえず、最も手軽な定番山ご飯としては、このリフィルのカップ麺がトップ候補ですね。

続いて、同じお湯で作る「インスタントお味噌汁」と「マジックライス」。お味噌汁は、あさげやゆうげなどが有名ですね。私は赤味噌のひるげが大好きです。マジックライスは、お湯を入れると15分で出来上がるご飯。これにプラスして、レトルトの「カレー」でしょう。全てお湯さえあれば作れます。インスタントでなくとも、生卵を持っていけば茹で玉子も目玉焼きも出来ます。生卵は、割れないように持っていけるケースがあるのでその心配もありません。

同じゆでるなら、ソーセージなどもいけますね。私はやったことがないですが。

他には、食パンを持っていって、バーナー用のトースターで焼くのもなかなかイケます。はっきり言ってパンが好きな人なら何も付けなくても美味しいと思いますが、ちょっと物足りないでしょうね。とろけるスライスチーズを挟んでホットサンドとか、試してみたいですね。火が通るかどうかは未知数ですが。意外とイケたのが、ヤマザキのランチパックというサンドイッチを、トースターで焼くという荒業。バターが溶けてたれる欠点はありましたが、挟まれたペーストが溶けてパンに染み込み、これまた格別でした。

トースターはお餅も焼けます。切り餅とのり、醤油を持っていって、焼きたての磯辺巻きなんてのもいいですね。これはお味噌汁とも合いそうです。

その他、パスタもショートパスタなら携帯性もよく、手軽に作れます。これに合わせるなら、粉末のスープがいいですね。パスタのゆで汁で作れるので、お湯も無駄になりません。

ざっと簡単に書いてみましたが、バーナーとクッカーとお湯だけあれば、これだけの食事は簡単に作れるということです。そう考えると、それだけでも山頂に登るのが楽しみになりますよね。暖かい食事は、心も暖まります。

とか言いながら、私も手軽な低山ではコンビニランチが多いです(爆) まあ、山は自由ですよ。家でお弁当を作ったっていいし、山小屋でお世話になってもいいし。でもやっぱり、非常事態の備えという意味も含めて、食事は欠かせません。どうせ食べるなら、美味しい方がいいに決まってます。素晴らしい景色を眺めながら、暖かい食事ができるという贅沢さを、是非一度味わってみて下さい。

でもやっぱり、富士山頂でのカップ麺だけは、お勧めしませんが(笑)

次回は、高尾山の次の山、についてです。

今回は、紫外線と虫です。
まず紫外線。山では標高1000m上がるごとに、紫外線が10~20%増加すると言われています。その為、紫外線対策はそれなりに必要です。「自分は日焼けしてもいい」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、有害な紫外線が強いためお勧めはできません。

富士山ともなれば、平地と比べて40%以上も強い紫外線を浴びることになります。短時間であっても、あっという間に肌が赤みを帯びてきます。普段から日光に当たって仕事をされていたり、元々それなりに日焼けされている方なら大丈夫かもしれませんが、年配の方であれば確実シミになりますし、少なからず皮膚がんになる可能性もあります。

富士山に限らず、森林限界を越える山であれば日陰が全くなく、その標高とあいまって紫外線は強烈です。樹林の少ない稜線、丹沢なども注意した方がいいですね。

肌だけでなく、目も気を付けましょう。強烈な紫外線は、目にもダメージを与えます。白内障の原因にもなります。紫外線をカットできる眼鏡かサングラスがあるといいでしょう。

私が富士登山で一番日焼けした箇所は、手の甲と首筋でした。実は指なしのグローブをしていたのですが、手の甲にも穴が開いていて、そこだけ赤くなりました。首筋はタオルマフラーがあるから大丈夫かと思っていました。タオルマフラーはUVカットの機能がなく、とんだ盲点でした。

液体の日焼け止めも効果はあります。ただどうしても汗をかくため流れやすく、頻繁な塗り直しをするよりは、装備で解決する方が的確だと思います。顔だけは仕方ないですけどね。

富士山なら首回りは、バフがいいですね。これに虫除けスプレーをしておけば虫も来なくなり、一石二鳥です。降りで砂走を降りるなら、マスクがわりにもなります。砂走は前の人の砂埃が舞うんですよね。

幸い、登山用を謳う衣類なら、大抵紫外線対策がされています。もはや当然の機能と言えますね。

顔周辺の一番確実な紫外線対策は、帽子です。これは登山でなくても、アウトドアでの常識になっていますね。帽子は熱中症対策や寒いときは防寒、頭の保護、雨ならレインハットで雨も避けられます。必要性を強く言われることは意外と少ないですが、登山のマストアイテムです。

手の対策は、滑り止めつきのUVカット手袋がフェニックスやmont-bellから出ています。岩場や鎖場での怪我防止にもなるので、持っておくといいですね。

続いて虫対策。
虫も自然界である以上、避けられません。ある程度の距離感をおきたくても、こればかりは向こうからやってきます。

まずありがちなのは、顔の回りを飛び回るアブなどの羽虫。虫除けスプレーが一番ですが、これはあらかじめ帽子やタオルなどに吹き付けておくといいです。それでもやって来る羽虫はもう仕方ないです。

羽虫を寄せやすい匂いは、香水などの花の香りですね。山で香水がご法度なのは、虫を寄せてしまうからです。同じ理由で、香りの強いシャンプーも注意が必要です。虫除けスプレーをかけても全く効かず、どうしてだろうと考えてふと気が付いたのが、リンスの強い匂いでした。LUXなどはハチミツ香に似ていて、これも盲点でしたね。

Foxfireなどでは、スコーロンという虫除け効果のあるアイテムを販売しているところもあります。洗濯を繰り返しても効果が落ちないそうです。

虫に含んでしまいますが、ヒルなども厄介ですね。特に丹沢では大繁殖しています。スパッツにヒル避け剤を塗っておくのが一番でしょうか。万が一血を吸われたら、必ず退治するように注意が促されています。血を吸ったヒルは確実に卵を生みます。踏みつけた程度では死なないので、薬品か火を使ってください。

最後に最も危険な虫。スズメバチですね。
毒を持つ生き物としてはヘビもこれに準じます。絶対原則として、決して怒らせたり刺激したりしないこと。虫除けも全く効果がありません。一度怒らせると、怒りフェロモンを放って仲間のハチをも呼び寄せます。集団で襲われれば、最悪命に関わります。絶対に刺激しないでください。

スズメバチは、黒い色をめがけて襲ってくる習性があります。もし黒以外の明るい色のシェルや雨具があったら、それらを着れば避けやすくなります。
スズメバチが近くに来たら、焦らず距離を保ちましょう。相手も危険がないとわかれば、刺したりしません。動くものを追いかける習性もあるので、なるべくゆっくり距離を確保するのがいいです。叫んで走り出したりすると、ハチも驚いて警戒体制で追ってきます。

でも虫も爬虫類も、自然界の一員です。お邪魔させてもらっている人間にとっては、それなりの距離を保つべき相手なのだと思います。少し遠くから眺めれば、彼らの営みもほほえましいものです。春は蝶、夏は蝉、季節ごとに現れる虫も、山の楽しみのひとつですからね。

さて次回は、いよいよ山ご飯。といっても、簡単なものですが(笑)

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最近の登山スタイル(C)Foxfire

 今回はトレッキングポールです。ステッキ/ストックなどとも呼ばれます。
 トレッキングポールは、いわゆるお年寄りや体の不自由な人が使う杖とは、意義が全く異なります。何度もお話している通り、登山では状況の変化が著しく、そうした過酷な状況を少しでも安全に、快適にクリアするためのアイテムです。単なる、転ばぬ先の杖ではありません。第三第四の足となり、疲労を軽減するだけでなく、悪路での事故を未然に防ぐ心強い道具でもあります。また、万が一骨折した際などに添え木として用いたり、簡易テントの支柱や遭難時にレインウェアなどの上着を縛って旗にしたり、といった特殊な用い方も決して無い話ではありません。カメラの一脚として使えるオプションなどもあります。

 トレッキングポールには、通常1本で用いるT字グリップタイプと、2本ペアで用いるI字グリップタイプがあります。俗称では、T字をステッキ、I字をストックなどと呼び分けたりしていますが、これは本来言語の違いで(ステッキ:Stick英語・ストック:Stock独語)そう呼び分けているのは日本だけです。T字を2本持っている人がペアで用いたり、あるいは2本のI字の1本だけを使ったり、必ずしもグリップ形状でそう使わなければいけない、というものでもありません。

 まずは、通常1本で用いるTグリップタイプのものから説明しましょう。

 基本的にT字グリップは、Tの横棒部分を上から握る形で使うように作られています。最近は、Tの縦棒部分にもグリップをつけて、縦横両方で使える「ダブルグリップ」のものがほとんどです。

画像 この縦グリップ、横グリップの使い分けは、一般的に登りが縦グリップ、降りが横グリップと言われています。なぜそうなのか?

 実際に握って、地面に突いてみれば分かりますが、縦に握ると手首から先端までの長さが、上から横に握るより、短くなります。登坂では、自分の位置より高いところにポールを突きますから、長いと腕が吊り上げられてしまいます。縦に握っておけば、高めの段差などでも突き立てやすくなるのです。

 

画像 逆に降りの場合は横グリップで握ります。

 降りでは、自分の立ち居地より低い地面を突きますから、少しでも長いほうが助かります。横グリップで握っておけば、腕を伸ばして突き立てやすく、前方に体重をかける際も掌に体を預けやすいわけです。

 この2種類のグリップの使い分けをすれば、ほとんどポールの長さを調整せずに、最適の高さで使うことができます。このT字グリップでの登りと降りの使い分けを最初に覚えておけば、後に2本にした際にも、本来のトレッキングポールの威力を発揮しやすいです。

 実は、2本ペアのI字グリップは、T字のように握り位置で状況を対応できません。登りと降りで、その長さを調整する必要があります。しかも降りの際に、T字の横グリップのように、掌に体重を預けることができません。いきなり2本のI字グリップを手にした初心者は、これをうまく使いこなすことができないでしょう。実際、登山で2本を用いている方はとても多いですが、残念ながら使いこなしている方は少ないようです。Iグリップは少々慣れが必要ですね。

 そう考えると、まずはT字グリップを、1本でうまく使いこなせるように練習すると、良いのではないかと私は思います。私も最初は、T字1本から登山を始めました。そのうち同じT字をもう一本買い足し、それでダブルポールの練習をしました。その後、I字グリップのLEKIを購入したのですが、やっぱりI字をT字と同じように使いこなすのは難しかったです。特に降りですね。

 T字であれば、横グリップで簡単に、体重を預けて前に突くことができます。これがI字になると、体重を預けて前に突くのが俄然難しくなります。I字グリップを有効に使うには、ポールを最適の長さに調整することと、ストラップの使い方をマスターすることの2つが大切です。これを練習しておかないと、何の役にも立たないただの棒になってしまいます。

画像 I字グリップのストラップの使い方をマスターしましょう。まず、ストラップの輪っかの下側から手首を通します。間違いの多くは、これを上から通しているだけの握り方です。下から通すことで、手の甲の部分にストラップが来ます。そしてストラップの付け根部分が、掌の中に納まるようになります。

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 手の甲にストラップを当てたら、そのままストラップの付け根部分を包み込むように、グリップを握ります。こうすると、手に体重がかかるとストラップが自然に締め付けられ、掌から甲全体を包み込むように、体重を乗せることができます。

 間違ったストラップの使い方ですと、大抵手首を通しているだけで体重が乗せられないか、乗せていても不安定な握り方になっています。この正しいストラップの通し方をぜひ覚えてから、I字グリップを使いましょう。そうでないと、宝の持ち腐れどころか、不安定なポールによって転倒し、怪我をするかもしれません。

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 さて、握り方をマスターしたら、今度は突き方です。2本であっても、基本的にT字と同じです。登りの際は、前足付近に突き、体重を軽く預けて後ろに押します。

 大きな段差などでは、足より先に突いて、上半身を預けて前足をサポートします。その際2本であれば、はしごに登るように簡単に体を前足に乗せることができます。

 この「はしごに登るように」使えるのが、2本ポールの最大の利点ですね。

 数十センチにもなるような、高い段差を乗り越えるときなどは、ポールが長すぎてバンザイ状態になってしまいます。そういう時はストラップを外して、グリップの少し下で握り直すと、バンザイになりません。これはT字グリップでも同様ですね。

 ストラップにきちんと手が収まっていれば、T字グリップよりもしっかり体重を乗せられるはずです。しかも2本ですから、有効に使えば1本のT字よりはるかに効率のいい、登板ができるといえます。

画像さて、いよいよ下山です。これも基本的な使い方は、T字と全く同じです。Tでは前方に体重を預けるように使いましたが、I字でもそれと同じように、前足よりも前に突きます。それにより、足特に膝にかかる体重や強い衝撃を、手や上半身に分散できます。つまり、下山で壊しやすい膝を守ることができるわけです。

 大きな段差を降りる際は、2本を段差の下に突き立てます。両手のストラップに体重を預けたら、屈みながら片足を下ろします。これは登りで「はしごを登るように」と喩えたのと同様、「はしごを降りる」ようなイメージです。

 1本のT字では、体重を乗せることはできても、さすがにはしごのようにはなりません。T字で大きな段差を降りる際は、いわばカニ歩きのように、横に足を踏み出す形に近くなります。それが2本であれば、無理のない自然体で降りることができます。

 下山の際には、ポールの長さが必要になりますが、T字で握り方を変えたのと同じ応用が、実はI字グリップでもできます。それは、I字の頭の部分を、上から包み込むように握る方法です。

 一時的に大きな段差を降りる際など、長さを変えていると面倒です。上からグリップを握りしめれば、その分長さが稼げます。T字と同じように、掌に体重をかけることもできます。一般的なI字グリップであれば、上から包み込めるグリップ形状になっています。そうした応用ができるかどうかは、実はTグリップが使いこなせていれば、何も考えずにできるはずです。

 逆に言えば、Iグリップでそれをいきなりやるのは、ちょっと怖いかもしれません。そういう意味でもIグリップは難易度が高いでしょう。

 最後に、IにしてもTにしても、トレッキングポールが万能ではないことを、肝に銘じておいて下さい。手を使う必要のある急な岩場、鎖場、はしごなど、ポールを収納する場面は必ずあります。その際は、あせらず面倒がらず、収納しましょう。2本ポールの簡単な収納方法は、2つのストラップをカラビナで繋ぎ、首からかけておく方法です。ブラブラしないように、ザックのストラップに挟み込んでおけば、それで手を使うこともある程度可能です。しかしもし邪魔になりそうなら、無理せずザックに収納して下さいね。

 さて次回は、紫外線と虫です。

今回は、スポーツタイツです。
最近特に、高尾山では必ず目にするほど普及してきたスポーツタイツですが、その機能性や実際の効果など、スポーツをされない方にとっては、どんなものなのか興味があるところかと思います。

まず、スポーツタイツには大きく分けて、2つのタイプがありなす。ひとつは「コンプレッション系」、もうひとつが「サポート系」です。両方の機能を併せ持ったものもありますが、それらはサポート系に分類されるようです。

コンプレッション系のスポーツタイツは、足の部位に合わせた圧迫力を持っています。SKINSなどは段階圧着といって、股から足首に向かって段々圧力を強くし、足先から静脈の血液を心臓に押し戻すポンプのような効果があります。足は第二の心臓とも呼ばれますが、通常は歩いたり走ったりし筋肉が緊張・弛緩することによって、静脈内の血液が心臓に戻されやすくなります。そうした効果をより高めるのが、コンプレッション系タイツです。足先から胴体に向かって圧迫させる、マッサージとも似てますね。

効果の程には個人差があり、しかも着ている状態と着ていない状態を比較するのが不可能なので、効果については否定的な意見も見受けられます。それなりの価格の製品ですから、プラセボもあるかと思われます。しかしながら、一日着用して家で脱いでみると、タイツの縫い目が足にくっきり跡がついて残るのがわかります。それだけ足全体が圧迫されているということですね。

初めてコンプレッションタイツを履いた日は、登りでの疲れが少なかったです。その後の下りで、脛にこれまでにない疲労感を感じました。よく見ると、タイツがずり下がって、膝でシワになっていました。その部分だけ強く圧迫されたらしく、血行が悪くなっていたようです。

すぐにタイツのシワを伸ばしてみると、それまでの疲労が嘘のようになくなりました。シワがあると逆効果だというのと、きちんと履けば効果が期待できると実感した瞬間ですね。

続いて「サポート系」です。
サポート系の特徴はなんと言っても、独特の縫い目でしょう。これは、伸縮力の違う二種類の布を縫い合わせていて、強い伸縮力の布を、テーピングの理論で関節、特に膝関節を保護するように作られています。そういう意味では、サポーターの機能に極めて近いです。そして、圧着による血流効果も期待できます。

サポート系の高級品は、その価格に少々驚かされますが、テーピング効果による関節保護を考えれば、妥当な金額かと思います。両足分のサポーターとコンプレッション系タイツをまとめて買うより、安上がりだからです(笑)

それはともかく、登山特に年配の方にとっての最大の懸念は膝の故障です。登山を諦める最大の理由は、間違いなく膝の不安です。このサポート系タイツなら、膝関節を壊す心配が減りますし、壊れる前に保護することにもなります。

膝の故障で典型的なのは、靭帯の損傷です。これは、膝の無理な動き(外転・内転といった膝関節本来の動きと違う無理な動き)によって起こります。そうした無理な動きを防ぐ効果もあります。また半月板の損傷(膝関節変形症)などを事前に防いだりする効果も見込めます。

かつて山が好きで、よく登られていた方の多くが、膝の痛みで登山を諦めています。あらかじめそれを予防できたり、軽度の痛みを克服できるとしたら、それはとても素晴らしいことだと思います。その効果の多少に関わらず、そういう思想の商品なら、素直に応援したいですね。

サポート系タイツは高価ですので勇気が要りますけど、私は使って良かったと心から思っています。

付け加えて、両者のタイツに共通するのが、吸汗速乾性能と保温性です。汗はかいてもすぐ乾き、履いていた方が涼しいと感じるほどで、夏でも暑さを感じません。そして寒さの中では保温性もあります。この機能だけでも、登山に最適なのです。そして、山の強烈な紫外線を防ぐのにも役立ちますね。

スポーツタイツ程の効果ではないですが、いわゆる見せタイと言われるタイツも、低山ではよく見かけます。山用であれば、吸汗速乾と保温、それから紫外線防止には充分役立ちます。短パンや山スカートと組み合わせるのが定番ですね。足裁きがしやすくなり、山での機敏な行動にも向いています。

登山以外のスポーツ、ジョギングやサイクリングなどでも活躍します。そう考えると、意外と安い買い物かもしれません。コンプレッション系のSKINSは、就寝時などの着用も推奨しています。他の製品は禁止事項となっていますけどね。

最近の山ボーイ・山ガールの定番アイテムですが、むしろお勧めしたいのは年配の登山者です。これで行動範囲が広がるのなら、ますます普及してほしい一着といえるのではないでしょうか。

さて次回は?うーん、トレッキングポール?

今回は、ウェアについてです。
登山で悩ましいのは、その環境が目まぐるしく変化することです。夏でも寒く、冬でも暑い、やっかいなものです。この衣類の管理如何で、快適にもなり地獄にもなります。

まず、着るものは基本的にレイヤリングといって、薄手のものを数枚重ね着し、状況に合わせて脱ぎ着することで体温管理をします。夏場の低山でTシャツ1枚、冬の高山だと数枚を重ねます。その為、脱着しやすいフルジップの衣類が多いですね。

下に着るものからお話ししましょう。
ファーストレイヤーは、肌に直接触れるものです。ここは長袖もしくは半袖のTシャツ、あるいは高機能のスポーツインナーなどが最近の登山スタイル。いずれにしても、化学繊維の吸汗速乾を謳った製品が定番。綿のTシャツなどは、汗をかくとなかなか乾かず、山頂で汗冷えの原因になります。

最近の吸汗速乾シャツの性能は、驚くべき性能です。コロンビアのオムニウィック、mont-bellのウィックロンなど、汗をかいてもあっという間に乾いてしまう優れたものが、豊富に出回っています。
この吸汗速乾のシャツは、性能の差こそありますが、安価な製品がユニクロなどでも手に入ります。登山用品で選ぶと、デザインはいいのですが、意外なほど高価です。特に拘りがないのなら、ファストファッションでチョイスしても問題ないと思います。とはいえ、やっぱり登山用のものは性能も素晴らしく、特にmont-bellのウィックロンは真夏の普段着として重宝しています。

登山は有酸素運動でもあり、発汗は避けられません。吸汗速乾のシャツは、もはや欠かせない装備のひとつでしょう。

続いてミッドレイヤー。
シャツと上着の間に着る、いわば中間着です。これは通常、冬場の防寒着という位置付けになるでしょう。ただし夏場でも、高山や強風などで防寒が必要な場合もあり、3000m級の山であれば必需品です。でも行動中は大抵暑いですから、出番は少ないかもしれません。ミッドレイヤーを着ないで2レイヤーとする場合も多々あります。

昔ですとセーターでしょうか。今は、丸めてもかさ張らない、マイクロフリースなどがお勧めです。最近はダウンベストなども流行っていて、これも丸めるととてもコンパクトになります。決め手となるのは、保温性と携帯性の両立でしょうね。体温調節で脱ぎ着するものですから、小さく丸められるものが適しています。同時に、それなりの保温性が求められます。

これらについても、ユニクロなどで入手しやすい製品があります。いわゆる季節商品なので、夏場手に入りにくい点が難点ですね。登山用品店なら、通年販売していますが。

最後にトップレイヤー。
これはシェルとも呼ばれます。レインウェアもこれに含まれます。もう皆さんお分かりだと思いますが、これは悪天候の際や、頂上滞在中などで一番上に着込むものです。

代表的なものがレインウェアですが、他にもウインドブレーカー、雪山などでは防寒用のダウンジャケットなども、これに含んでいいでしょう。これらも脱着性が求められますので、基本はフルジップでしょうね。

とりあえずは、こんな感じで重ね着をするのが登山の一般的な服装ですね。肝心なのは、暑いときに脱げる、寒いときに着込めること。これが、発汗や震えなど余計な体力の消耗を抑え、ひいては死に繋がる局面を回避できる可能性をも高めます。
それから、登山用でなくとも、ランニングウェアやその他のスポーツ用品にも、同等の優れた商品がたくさんあります。ユニクロも捨てたもんじゃありません(笑) 以上を参考に、色々なお店で最適なウェアを探してみてください。それもまた楽しいですよ。

基本的な衣類、3レイヤーの話は以上です。
衣類の類いは他にもスポーツタイツや手袋などありますね。次回は、スポーツタイツかな?

 さて今回は、登山靴の靴紐の結び方です。
 登山靴の靴紐は、その状況に合わせて結び方を変えるのが望ましいです。路面の状況が目まぐるしく変わる登山ですから、その必要性はご想像に難くないと思います。

 まず最初は、登り。
 山への登りの際は、基本的にゆるめに結びます。どのくらいゆるめかというと、ブーツと足の隙間に指がするっと入るくらい、です。かなりゆるめで構いません。ゆるくする理由は、登坂の際の足首の角度にあります。下の図とあわせてご覧下さい。

tozan1 登りでは、足首の角度が上向にきつくなります。靴紐がきついと、すねの部分が強く締め付けられ、足首が曲げられません。強い傾斜を靴底全体で捕らえるには、ハイカットの靴では特に、紐をゆるめておく必要があります。

 ゆるめにして脱げてしまわないか?という不安もあるでしょう。その場合は、くるぶし部分だけ強くして、それより上のフック部分をゆるめにしておけば大丈夫です。

 登坂の場合は、足にかかる体重がかかとに引っかかる形になります。靴のかかとにしっかり過重がかかっていれば、靴が脱げたりする心配はありません。

 但し、いくらゆるめが良いからと、靴紐をフックに引っ掛けず足首に巻いておくのは、あまり好ましくありません。
 平地の歩行や街中の移動、舗装道路などでは、フックに紐を引っ掛けず、紐を足首にぐるりと一周させておく結び方もあります。こうすると、ハイカットのブーツでありながら、ローカットのように自由に足首を動かして歩くことができます。状況によってはそうした結び方もありますが、登坂でその結び方をするのは危険です。

 足首巻きを登坂でしていた場合、路面の状態が悪く、足を滑らせてしまった際などに、足首を強く捻ったり、靴が脱げてしまう可能性もあります。基本的に足首巻きは、平坦な道に留めておきましょう。逆に言えば、足首巻きで結んでおけば、下山して街中を移動する際などには、楽ですね。

 続いて、下山です。
 下山の際は登坂と逆に、きつく結びます。きつく結ぶことによって、ハイカットの登山靴の持つ本来の性能が発揮されます。下の図とあわせてご覧下さい。

 下山の際には、足首の傾斜が下向きになります。下山の際に紐をゆるめにしておくと、大変なことになります。靴の中で足が前に滑り出し、足の指がつま先に全て当たってしまいます。体重の全てを指先で支える格好となり、どんどん指が痛くなってしまい、怪我に繋がります。それを防ぐためにも、靴紐は強く結んでおく必要があります。

 くるぶしから脛にかけて、フックに引っ掛ける全ての紐を、硬くしっかり引っ張って結びます。そうすることで、自分の体重をつま先でなく、登山靴の足首から脛にかけての部分で支えることができ、足の指を痛めずに済みます。また、足の裏にかかる荷重をフラットに分散でき、しっかりとグリップを効かせて降りていくこともできます。

 登りでは、かかとに荷重をかけましたが、降りでは、足首から脛にかけて荷重をかけるイメージです。

 登山では、「登りはゆるく、降りはきつく」と覚えて下さい。

 山によっては、アップダウンの連続する場合など、この鉄則に従えない難しい状況もあります。その場合でもなるべく億劫がらずに結び直しをするべきですが、もしそれが難しい場合は、最低限くるぶし部分だけを強く結んでおくとよいです。考え方としては、足首巻きに準じた結び方です。ただし、足首巻きにはもちろんしないで下さい。多少緩めでも、上のフックも必ず引っ掛けておいて下さい。

 最後に、解けにくい結び方。
 一般的には蝶々結びですが、紐を一回通すところを二回通すというのはよく言われています。私流の解けにくい結び方は、「一番上のフックを上から引っ掛ける」です。フックを普通通り下から引っ掛けると、結び目は当然、ブーツの一番上の部分に来ます。広がったり引っ張られたりしやすい部分ですね。なので、フックに引っ掛ける際に上から引っ掛けてしまうのです。そうすると、結び目が一段だけ下の位置になります。
 頻繁に引っ張られる部分に結び目が来ないため、解けにくいです。むしろ、結び目が段々強く締まってくる傾向すら感じます。この結び方はオススメです。

 さて次回は、登山用のウェアについて掘り下げてみたいと思います。


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 岐神葵のぼうけんのしょ。

 岐神葵のブログらしいです。
「事実は小説より希なり」
 架空の人物の閉じた世界のありえない話なんかより、何百倍も面白いリアル体験。そんな人生を目標に、意味不明な挑戦と挫折を繰り返しています。

2013年4月
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涼規じゅん

  • 身体が第一なので、色々無理ないように出来る範囲で何かしら頑張りたいなって思ってます(*ノдノ)まずは体調戻さないとだ…。 1 week ago
  • 12月は新刊の宣伝頑張りたいので、宜しくお願いしますー。本文サンプルもあげたいし(;´▽`A`` 1 week ago

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