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多摩動物公園で撮影ですよ

Posted on: 2013年9月17日

ネイチャーフォトでも特定の被写体を狙う場合は、望遠が威力を発揮します。通常、望遠レンズを使う機会は、対象が遠い場合のみ。望遠レンズは手の届かない被写体を引き寄せるためのものですから、普段こんなものは不要です。広い会場のスポーツシーンでは重宝します。まさかグランドに入って写真撮ったりできませんし。基本的には遠くの被写体専用ですね。

わざわざ望遠レンズを使って撮る、遠近感の圧縮といったテクニックはありますが、それに溺れていては素人の愚行です。高価な大筒を構えてボケの効いた写真を撮ったりすればいかにもプロっぽいですけど、プロはそれでしか撮れないから仕方なくそう撮るのであって、腕のある人なら流し撮りしたり、極限や瞬間を表現するために滴る汗や飛び散る砂埃まで撮り入れるものです。止まった被写体なら、まず望遠レンズを忘れて、広角レンズ一本でグッと被写体に近寄る方が、凄い写真が撮れるものです。

望遠は、うまく撮れれば誰でもそれなりの写真になります。フェラーリに乗って俺速いだろ、みたいなものです。カメラに写真を撮らされているようなものです。

というわけで、多摩動物公園で望遠レンズを使ってみました。

動物園、特に檻でなく自然に近い展示を行っている広い動物園では、望遠レンズが必須です。被写体がとにかく遠い。言い換えれば、望遠レンズを使う練習にはちょうどいい環境ですね。
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まずはオオカミ。ヨーロッパオオカミの群れを率いる長老。相当の歳で、耳が垂れ冬毛も抜け切らない年期の入った風体ですが、群れの中では最上位。この長老が動くと、全員が従います。序列が厳格なんですね。

群れの若い衆は、コンクリの上で寝そべって涼んでいました。でも、長の一走りで全員集合します。

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まあ、この日も暑かったんですけどね(笑)
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それにしても、飼い犬にはない誇りを感じます。日本のオオカミも、何らかの方法で自然回帰させらないものでしょうか。オオカミのいない日本の野山は生態系が大きく崩れ、それによる多数の絶滅も懸念されています。
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モウコノウマ。蒙古の馬ではなく、蒙古野馬です。野生の馬です。この種は現存する唯一の野生種の馬で、かつて一度絶滅しました。幸い欧州で飼育下にあったモウコノウマを野生復帰させることに成功し、現在は数百頭程度まで回復したようです。
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続いてユキヒョウ。これも絶滅危惧種ですね。温暖化の影響もさることながら、毛皮目的の密猟が絶えない、厳しい環境下にあります。
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この子も暑そうでした。

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森の人、オランウータンも絶滅危惧ですね。動物園では、人の繁栄の結果犠牲にされている、過酷な現実を目の当たりにできます。町も道路も、元々彼らの住まいです。

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アムールトラ。北限の虎で、最も絶滅が危惧されている最大のトラですね。ユキヒョウ同様、密猟が絶えません。
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カンガルーは、増えすぎて手の付けられない種。日本のシカと全く同じ状態です。つまり、肉食の捕食者が絶滅してしまい、個体数を人間が調整しないと植物が根絶やしにされるという状態です。カンガルーを食べていた種は、やはりオオカミに似た有袋類、フクロオオカミという動物でした。

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オオワシも絶滅危惧。精悍な姿はやはり、捕食者として君臨する威厳ですね。命の頂点を極めるには、そうした神々しいプライドが不可欠なのかもしれません。それ故、孤高に相応しく個体数自体が希少。それはまた、少しの環境の変化で一瞬にして消え失せてしまうということも、意味しています。
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コウノトリは、多摩動物公園を代表する種です。というのも、多摩動物園はコウノトリの人工繁殖のための中心基地でもあるんです。その数は数百羽にもなります。園内の数ヵ所で、多くのコウノトリを見ることができます。その背景には、コウノトリの野生絶滅という厳しい現実がありました。

その境遇とよく似た、有名な鳥がいます。トキですね。トキは人工繁殖すら成功せず、ついに国産の完全絶滅という最悪の事態を招いてしまいました。コウノトリは幸い早い時期に、人工繁殖に成功していました。現在は野生復帰に向けて各所で試みられていますが、その復帰に向けた個体はこの多摩動物公園産の子孫なんですね。

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ライオンも気持ち良さそうにお昼寝。
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チーターはかつて、アフリカ園の檻の中でしたが、今は広々とした展示施設で悠々と闊歩しています。軽く走れるくらいの広さで、高速で走って補食する展示もされているのかもしれません。野生そのままの姿を再現するのは、本当に難しいでしょう。動物園の方々の努力、動物に対する並々ならぬ愛情。本当に素晴らしいです。元気に歩くチーターの姿に、感動してしまいました。

写真とは、表現を解りやすく伝えるための手段と心得ます。主題のない写真は、ただの写真でしかありません。
望遠レンズを手にし、その本領を発揮させるべく、被写体を選んでみました。望遠レンズは、人の手に触れることのない遠くのものを引き寄せ、間近に捕らえるための武器です。そこには、人とは隔絶された何か、憧れのようなものが、あるのかもしれません。

高い頂だったり、孤高の野性動物だったり、あるいは夜空に輝く遥か彼方の星々だったり。望遠レンズは、そうした人間の探求心の行き着く先を見据える道具です。もしそんな被写体を撮りたくなったら、迷わず手にしてみてください。今まで手に届かなかった素晴らしい世界が、目の前に広がるはずです。

望遠レンズとは、そんな夢のレンズじゃないかなと、動物園の撮影で思った次第です。

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