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アマチュア無線コラムVol.3ですよ

Posted on: 2013年11月12日

電波はどこまで飛ぶ?のような質問を受けることがあります。ハムならその辺の事情はよく知ってますけど、ハムでなければ何もわからないはずです。いい質問なんですが、その答えは一つじゃないし、答えも長くなりますね。

まず電波の飛び方。
見通し距離が基本の直接波、地表に沿って飛ぶ地表波、高空の電離層を反射して地表に帰ってくる電離層反射波、山の頂で屈折する山岳回析波、山やビルなどで反射する山岳反射波にビル反射波、衛星通信に月を利用した月面反射波など、色々な種類の飛び方があります。さらに周波数によって飛び方に特色があります。

高い方の周波数からお話ししましょう。
高い周波数、衛星放送や携帯電話のSHFやUHFは直進性が高く障害物に弱い、電離層を突き抜けるという特色があります。直進性が高いということは、山やビルの反射を利用しやすいとも言えます。基本は見通し通信ですが、山岳反射を利用して遠距離、広範囲の通信も楽しめます。この辺の要素が、一概に距離を言えない側面ですね。また、見通しですから高い山に登れば、遠くと交信できるようになります。

続いてアナログTVやFMラジオのVHF。この辺も基本は直接波ですが、たまにテレビで「気象の影響で映りが悪くなっている」などと出たことがあったのを覚えていらっしゃる方も多いでしょう。これは夏に発生しやすいスポラディックE層という特殊な電離層の発生によるものです。テレビの写りは悪くなりますが、この反射によって普段は絶対届かない遠距離との交信ができるようになったりします。例えば東京と九州、北海道などです。この反射は大変強力で、ハンディの数W程度の出力でも何百kmも飛んでしまいます。特にFMラジオのちょっと下のバンド、50MHz帯はマジックバンドとも呼ばれ、運がよければアメリカなど海外まで電波が飛ぶ可能性もあります。このEスポの発生は太陽の活動や複雑な気象の条件に影響されます。ここ最近は太陽活動が低迷していてなかなか発生の機会が少ないですが、もし発生したら是非、ハンディなどで遠距離交信に挑戦してみてください。

もっと低い周波数、短波(HF)の話もしましょう。
HFはさらに細かく、28~21MHz帯をハイバンド、18~10MHzをミドルバンド、7MHz以下をローバンドと呼びます。

ハイバンドは、VHFに近い特性を持っていて、普段は直接波しか届かない静かなバンドですが、太陽活動の影響を最も受けやすいバンドです。特に夏の日中などに太陽フレアが発生すると突然、欧州や北アメリカなどと簡単に交信できるようになります。さらにはアフリカや南米と繋がる可能性も高まります。HFというか、アマチュア無線のダイナミックな通信を一番楽しめる周波数帯です。

ミドルバンドは、普段から安定して海外と交信しやすいバンドですが、その為従事者免許の級によって使えるバンドが制限されています。特に海外通信のメインストリートと呼ばれる10Mと14Mは、1級2級限定の上級バンドです。美味しいバンドは18Mで、こちらは3級から使えます。18Mはかなり高い頻度で海外がオープンしますので、まず3級を取得して挑戦してみましょう。遠く海外と通信が出来たときの感動は最高です。

ローバンドは、普段から安定して国内通信が可能です。海外とも可能ですが、電離層反射での減衰の影響が大きく、もっぱら国内ですね。昼間は7MHz、夜間は3.5MHzが賑やかです。難点は、波長が長いのでアンテナが巨大になりやすいこと。短縮アンテナもありますが、使える周波数帯域が狭くなり、技術を必要とします。その辺りに対応しやすいのは、スクリュードライバーアンテナという、コイルの長さを可変させられるチューニングアンテナです。これなら1m弱のアンテナでもボタンひとつで調整することで、幅広いHFバンドを使うことができます。

さらに低いMF、LFもアマチュア無線で利用できますが、波長が驚くほど長くなり、アンテナもフルサイズで数十mから数kmの長さが必要になる現実的ではありませんが、短縮するなど技術的な面白さが尽きないバンドでもあります。熱心な上級ハムの奥深い世界です。

SHFより高い周波数も、アマチュア無線に割り当てられていますが、そこまで高い高周波は無線機を作ることから難しく、アンテナの精度や伝搬の条件なども厳しい、こちらも上級ハムの世界ですね。しかし熱心なファンは数多くいます。

以上が各バンドの、ざっくりとした説明です。
FMが使えるかどうか、アンテナのサイズはどうかといった細かい条件もそれぞれ違いますが、電波が一概にどこまで飛ぶかなんてはっきり言えないことは、お分かりいただけるかと思います。

その他、電波を遠くに飛ばすには、「一にロケーション二にアンテナ、三四がなくて五にパワー」と言われます。まずは見通し距離を確保できる場所に始まり、次に利得や指向性を左右するアンテナ、最後にパワーですね。場所がよければ遠くに飛びますが、場所に恵まれなくてもアンテナを工夫すればそのハンデを克服できます。最後のパワーは、結局どんなに出力を上げても、ロケやアンテナが駄目なら何をやっても無駄です。また、高い周波数ではケーブルの損失もあり、パワーだけが決め手ではありません。

難しく感じるかもしれませんが、実際に色んなバンドを聞いてみれば、何となくその雰囲気がわかってくると思います。とにかく最初は、よく聞いてみましょう。聞こえるということは、こちらも電波を出せば届く可能性があるということです。いろんな意味で、楽しみですね。

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