連載企画 富士山頂を目指そう!Vol.5ですよ
Posted 2013年4月23日
on:- In: トレッキング | 富士山頂を目指そう!
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さて今回は、登山靴の靴紐の結び方です。
登山靴の靴紐は、その状況に合わせて結び方を変えるのが望ましいです。路面の状況が目まぐるしく変わる登山ですから、その必要性はご想像に難くないと思います。
まず最初は、登り。
山への登りの際は、基本的にゆるめに結びます。どのくらいゆるめかというと、ブーツと足の隙間に指がするっと入るくらい、です。かなりゆるめで構いません。ゆるくする理由は、登坂の際の足首の角度にあります。下の図とあわせてご覧下さい。
登りでは、足首の角度が上向にきつくなります。靴紐がきついと、すねの部分が強く締め付けられ、足首が曲げられません。強い傾斜を靴底全体で捕らえるには、ハイカットの靴では特に、紐をゆるめておく必要があります。
ゆるめにして脱げてしまわないか?という不安もあるでしょう。その場合は、くるぶし部分だけ強くして、それより上のフック部分をゆるめにしておけば大丈夫です。
登坂の場合は、足にかかる体重がかかとに引っかかる形になります。靴のかかとにしっかり過重がかかっていれば、靴が脱げたりする心配はありません。
但し、いくらゆるめが良いからと、靴紐をフックに引っ掛けず足首に巻いておくのは、あまり好ましくありません。
平地の歩行や街中の移動、舗装道路などでは、フックに紐を引っ掛けず、紐を足首にぐるりと一周させておく結び方もあります。こうすると、ハイカットのブーツでありながら、ローカットのように自由に足首を動かして歩くことができます。状況によってはそうした結び方もありますが、登坂でその結び方をするのは危険です。
足首巻きを登坂でしていた場合、路面の状態が悪く、足を滑らせてしまった際などに、足首を強く捻ったり、靴が脱げてしまう可能性もあります。基本的に足首巻きは、平坦な道に留めておきましょう。逆に言えば、足首巻きで結んでおけば、下山して街中を移動する際などには、楽ですね。
続いて、下山です。
下山の際は登坂と逆に、きつく結びます。きつく結ぶことによって、ハイカットの登山靴の持つ本来の性能が発揮されます。下の図とあわせてご覧下さい。
下山の際には、足首の傾斜が下向きになります。下山の際に紐をゆるめにしておくと、大変なことになります。靴の中で足が前に滑り出し、足の指がつま先に全て当たってしまいます。体重の全てを指先で支える格好となり、どんどん指が痛くなってしまい、怪我に繋がります。それを防ぐためにも、靴紐は強く結んでおく必要があります。
くるぶしから脛にかけて、フックに引っ掛ける全ての紐を、硬くしっかり引っ張って結びます。そうすることで、自分の体重をつま先でなく、登山靴の足首から脛にかけての部分で支えることができ、足の指を痛めずに済みます。また、足の裏にかかる荷重をフラットに分散でき、しっかりとグリップを効かせて降りていくこともできます。
登りでは、かかとに荷重をかけましたが、降りでは、足首から脛にかけて荷重をかけるイメージです。
登山では、「登りはゆるく、降りはきつく」と覚えて下さい。
山によっては、アップダウンの連続する場合など、この鉄則に従えない難しい状況もあります。その場合でもなるべく億劫がらずに結び直しをするべきですが、もしそれが難しい場合は、最低限くるぶし部分だけを強く結んでおくとよいです。考え方としては、足首巻きに準じた結び方です。ただし、足首巻きにはもちろんしないで下さい。多少緩めでも、上のフックも必ず引っ掛けておいて下さい。
最後に、解けにくい結び方。
一般的には蝶々結びですが、紐を一回通すところを二回通すというのはよく言われています。私流の解けにくい結び方は、「一番上のフックを上から引っ掛ける」です。フックを普通通り下から引っ掛けると、結び目は当然、ブーツの一番上の部分に来ます。広がったり引っ張られたりしやすい部分ですね。なので、フックに引っ掛ける際に上から引っ掛けてしまうのです。そうすると、結び目が一段だけ下の位置になります。
頻繁に引っ張られる部分に結び目が来ないため、解けにくいです。むしろ、結び目が段々強く締まってくる傾向すら感じます。この結び方はオススメです。
さて次回は、登山用のウェアについて掘り下げてみたいと思います。
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