連載企画 富士山頂を目指そう!Vol.9ですよ
Posted 2013年4月27日
on:- In: トレッキング | 富士山頂を目指そう!
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今回は、紫外線と虫です。
まず紫外線。山では標高1000m上がるごとに、紫外線が10~20%増加すると言われています。その為、紫外線対策はそれなりに必要です。「自分は日焼けしてもいい」とお考えの方もいらっしゃると思いますが、有害な紫外線が強いためお勧めはできません。
富士山ともなれば、平地と比べて40%以上も強い紫外線を浴びることになります。短時間であっても、あっという間に肌が赤みを帯びてきます。普段から日光に当たって仕事をされていたり、元々それなりに日焼けされている方なら大丈夫かもしれませんが、年配の方であれば確実シミになりますし、少なからず皮膚がんになる可能性もあります。
富士山に限らず、森林限界を越える山であれば日陰が全くなく、その標高とあいまって紫外線は強烈です。樹林の少ない稜線、丹沢なども注意した方がいいですね。
肌だけでなく、目も気を付けましょう。強烈な紫外線は、目にもダメージを与えます。白内障の原因にもなります。紫外線をカットできる眼鏡かサングラスがあるといいでしょう。
私が富士登山で一番日焼けした箇所は、手の甲と首筋でした。実は指なしのグローブをしていたのですが、手の甲にも穴が開いていて、そこだけ赤くなりました。首筋はタオルマフラーがあるから大丈夫かと思っていました。タオルマフラーはUVカットの機能がなく、とんだ盲点でした。
液体の日焼け止めも効果はあります。ただどうしても汗をかくため流れやすく、頻繁な塗り直しをするよりは、装備で解決する方が的確だと思います。顔だけは仕方ないですけどね。
富士山なら首回りは、バフがいいですね。これに虫除けスプレーをしておけば虫も来なくなり、一石二鳥です。降りで砂走を降りるなら、マスクがわりにもなります。砂走は前の人の砂埃が舞うんですよね。
幸い、登山用を謳う衣類なら、大抵紫外線対策がされています。もはや当然の機能と言えますね。
顔周辺の一番確実な紫外線対策は、帽子です。これは登山でなくても、アウトドアでの常識になっていますね。帽子は熱中症対策や寒いときは防寒、頭の保護、雨ならレインハットで雨も避けられます。必要性を強く言われることは意外と少ないですが、登山のマストアイテムです。
手の対策は、滑り止めつきのUVカット手袋がフェニックスやmont-bellから出ています。岩場や鎖場での怪我防止にもなるので、持っておくといいですね。
続いて虫対策。
虫も自然界である以上、避けられません。ある程度の距離感をおきたくても、こればかりは向こうからやってきます。
まずありがちなのは、顔の回りを飛び回るアブなどの羽虫。虫除けスプレーが一番ですが、これはあらかじめ帽子やタオルなどに吹き付けておくといいです。それでもやって来る羽虫はもう仕方ないです。
羽虫を寄せやすい匂いは、香水などの花の香りですね。山で香水がご法度なのは、虫を寄せてしまうからです。同じ理由で、香りの強いシャンプーも注意が必要です。虫除けスプレーをかけても全く効かず、どうしてだろうと考えてふと気が付いたのが、リンスの強い匂いでした。LUXなどはハチミツ香に似ていて、これも盲点でしたね。
Foxfireなどでは、スコーロンという虫除け効果のあるアイテムを販売しているところもあります。洗濯を繰り返しても効果が落ちないそうです。
虫に含んでしまいますが、ヒルなども厄介ですね。特に丹沢では大繁殖しています。スパッツにヒル避け剤を塗っておくのが一番でしょうか。万が一血を吸われたら、必ず退治するように注意が促されています。血を吸ったヒルは確実に卵を生みます。踏みつけた程度では死なないので、薬品か火を使ってください。
最後に最も危険な虫。スズメバチですね。
毒を持つ生き物としてはヘビもこれに準じます。絶対原則として、決して怒らせたり刺激したりしないこと。虫除けも全く効果がありません。一度怒らせると、怒りフェロモンを放って仲間のハチをも呼び寄せます。集団で襲われれば、最悪命に関わります。絶対に刺激しないでください。
スズメバチは、黒い色をめがけて襲ってくる習性があります。もし黒以外の明るい色のシェルや雨具があったら、それらを着れば避けやすくなります。
スズメバチが近くに来たら、焦らず距離を保ちましょう。相手も危険がないとわかれば、刺したりしません。動くものを追いかける習性もあるので、なるべくゆっくり距離を確保するのがいいです。叫んで走り出したりすると、ハチも驚いて警戒体制で追ってきます。
でも虫も爬虫類も、自然界の一員です。お邪魔させてもらっている人間にとっては、それなりの距離を保つべき相手なのだと思います。少し遠くから眺めれば、彼らの営みもほほえましいものです。春は蝶、夏は蝉、季節ごとに現れる虫も、山の楽しみのひとつですからね。
さて次回は、いよいよ山ご飯。といっても、簡単なものですが(笑)
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